制御機器の国内出荷は昨年夏以降上向きに転じたが、実需または、消費税増税前の駆け込み需要との見方が輻輳していた。しかし、今年2月に入っても受注増加が続く一方、ユーザーの在庫増加が見受けられないことから、ここにきて消費税の影響は僅少とするところが多勢になってきた。
制御機器の国内需要は、昨年7月から前年を上回り、10月以降高い伸びを示している。しかし、製品によりまだら状態であったことに加え、消費税増税前の駆け込みが喧伝されたため、制御機器メーカーや商社は需要の実態が把握できずにいた。
しかし、最近はユーザーの生産推移、在庫状況から、実需に近いとの判断が増えている。制御機器ユーザーの生産は、確実に増加傾向にある。
2010年基準で生産指数を比較すると、半導体・フラットパネル製造装置は、昨年9月が65・6に対し、11月は92・5、12月91・6まで回復している。繊維機械も8月96・6、9月108・4、10月115・2、11月110・1、12月109・1と上向いている。情報化関連資本財8月99・9、9月102・3、10月102・1、11月110・2、12月103・9と堅調。
こうした生産動向に対し、在庫の積み増しは見られない。
一般機械工業は、昨年8月122・9、9月123・6、10月122・7、11月120・7、12月123・1。電気機械工業は8月111・1、9月110・5、10月113、11月114・8、12月118・9である。情報化関連生産財は、8月106・3、9月111・3、10月103・8、11月100・3、12月103・1で推移している。
生産が堅調に推移し、在庫の積み増しも見られないことから、「制御機器の受注増加は、消費税増税前の駆け込みによる影響は小さい」との判断が強まっている。そのため、制御機器需要は4月以降も高水準が続きそうである。