分岐点(2014年2月26日)

中国から帰国した人からは一様に、日本人は元気がないと叱咤される。そして、勉強会への参加を誘われる。高齢社会NGO連携協議会という組織は、国連提示の「高齢者の自立、自己実現、参加、ケア、尊厳」の5原則に「高齢者の役割」を加えた高齢者憲章を提唱している。隠居など口に出せない雰囲気である。

日本の先行きを心配し、社会活動の大切さを説いているので、受ける側に与える刺激は大きい。確かに、人口ピラミッドや出生率の推移をみると、不安定な人口構成、人口の自然増減の基準値を下回る数値に改めて驚かされる。素人がろくろを回して作った一輪挿しのように僅かな揺れで倒れそうである。他の国では、ドイツも中国も似たような形である。

ドイツは1970年から出生率が2・0を下回り、中国は93年から同様に推移しているので、人口ピラミッドが歪んでいる。それに対し、米国は釣鐘タイプなので、地面にどっしりと座れる。他国に見られる出生率の大幅な上下動がなく、米国は数十年間、基準値前後で推移してきたから円柱形状を保てる。さすがというほか言葉が見当たらない。

米国型にするには、日本やドイツは、生産従事ロボットを投入し生産力を維持することである。日本が現在の38~42歳の人口数を保持するには、年間55万人分のロボットを毎年「雇用」すればよい。1台200万円計算で年間1兆1000億円の投資となるが、見方によっては負担の少ない数字である。中国の場合は、1人当たりの生産性向上を図る生産能力型の自動化投資である。”オートメーション化”という点では、日本も中国も同じである。

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