端子台は薄型化や省スペース化、インテリジェント化、狭ピッチ化、DC用の高電圧化などが進んでいる。取り付け方法では、プリント基板取り付けから、DINレール取り付け、直付けなど、用途によって使い分けされている。
国内では、圧着端子を使用したネジ留め式が主流となっている。ネジとバネを一体化することで、配線作業時にネジが保持され、仮留めできることから配線作業性の向上につながっている。バネ式端子台は、長期間の振動にも強く、振動によるネジの緩みもないので、鉄道など輸送機器・設備に採用されている。
一方、圧着端子を使用しないで、配線をそのまま端子台に差し込んで配線する欧州式端子台も市場が急速に拡大。配線時の被覆作業が省け、振動などによる接触不良がないことから需要が拡大している。
配線作業の省力化を図る配線工具も各種使われているが、最近は電動式工具も登場している。電線の被覆と圧着作業がたった2秒で完了するもので、力の弱い人でも簡単かつ高速で行えることから、配線作業の効率化につながる工具として普及が見込まれている。
市場のグローバル化もあり、国内と海外を使い分けする必要のない欧州式端子台の比率が年々高まりつつある。
欧州式端子台は、これまで小電流タイプでの用途が多かったが、最近は1500V/200Aクラスの高電流用途でも使用できる製品が発売されており、1000Vクラスの用途でも採用拡大が進みそうだ。メガソーラーなどのDC用途で使用できる、定格絶縁電圧1500Vクラスで開閉可能な製品も発売されている。
省配線化ニーズに対しては、コネクタと一体化したコネクタ端子台やハイブリッド端子台などがある。
端子台にサージアブソーバー素子やリレー、スイッチ、断路器、ヒューズ、LEDなどを搭載しており、省配線化とともに、省スペース、配線作業の省力化に繋がっている。
メンテナンスをしやすくするために、電流容量の区分や回路のグループ分けなどを端子台のカラー化で対応しようとする製品も出ている。
配線作業の容易化・省力化を図る意味でスタッド形端子台の需要も増えている。スタッド形端子台は、配線作業が容易で作業の省力化が図られるとともに、配線効率が高いのが特徴である。加えて、挟み込みなどの接続不良を未然に防止できる。
メンテナンスを容易にする点では、LED搭載タイプは長寿命であり、取り替える期間が長くメンテナンス性に優れる。過酷な環境で使用する端子台は、材質に耐油・耐薬品性の高いものを使用し対応を図っている。
また、端子台のさらなる軽量化とコスト低減を図るため、端子部にアルミニウム合金を採用したアルミ端子台もある。端子部を従来の銅合金からアルミ合金にすることで、端子部の重量を10~30%軽量化できる。
コストもアルミの原材料価格は、銅よりも安く安定している。性能面でも熱伝導性と放熱性に優れ、腐食しにくいアルミ電線の配線にも適しており、様々な産業分野で使用できる。