三菱電機先端技術総合研究所は、配電系統の三相個別高速解析で配電機器をリアルタイムに集中制御し電力損失を半減できる「配電系統の電力損失低減技術」を開発した。この技術を用いることで新エネルギーが普及しても配電系統を安定運用でき、電力供給量の削減が可能となる。
近年、太陽光発電の普及に伴い、三相配電線と単相の住宅用配電線の接続に際して三相不均衡が増大し、従来の三相平均値による監視・制御だけでは95V~105Vの適正電圧の維持が困難になっている。
同社は、2010年度に開発の配電制御システムに、配電系統の電力損失低減技術を付加することで、配電系統を安定運用でき、常に三相すべてで適正な電圧を維持できる。新技術は、三相個別解析により電圧分布・電力損失を高速で詳細に把握、配電機器をリアルタイムで集中制御できる。また、三相不均衡を是正し配電線での損失を約50%低減できる。