安川電機のインバータの累計出荷台数が今年2月で2000万台を突破した。
同社は1974年に世界初のトランジスタインバータ「VS―616T」を出荷して以来、これまで国内外で順調に販売を伸ばし、40年間で2000万台に乗せた。
これまでもモータ制御のパイオニアメーカーとして、79年に世界初のベクトル制御インバータ「VS―626TV」、85年に世界初のデジタル制御インバータ「VS―616H
Ⅱ」、88年に世界初のIGBTを採用した低騒音インバータ「VS―616G
ⅡLN」、94年には世界初のASIPM駆動採用のインバータ「VS
mini
C」など、常に革新的な世界初の製品を開発してきた。
その後も、2000年には世界初の3レベル制御の汎用インバータ「Varispeed
G7」、06年には世界初のマトリックスコンバータ「Varispeed
AC」なども相次いで開発し、工場の生産性アップや、省エネ・CO2削減に大きく貢献してきた。
この間、19年かけて93年に100万台を達成し、02年に500万台、07年に1000万台、10年1500万台とピッチを上げて出荷を伸ばしてきた。
最近は、電源回生コンバータ「D1000」(12年)や電源回生ユニット「R1000」(13年)など、新基軸の省エネ対応製品を発売するとともに、SiC(シリコンカーバイト)を適用した高パワー密度の次世代ドライブシステムや、世界で初めてGaN(窒化ガリウム)パワー半導体モジュールを搭載した次世代パワーコンディショナの開発など、新たな取り組みも行っている。
これに合わせて、生産革新・事業拡大も積極的に展開し、89年にインバータの需要増に合わせ、生産ラインを一新しインバータ工場を福岡県行橋市に建設。
06年に「製造不良ゼロ」を目標に自社の産業用ロボットMOTOMANを導入し、機械・人・ITの融合により高い品質と安定性を実現したドライブセンターを建設している。
92年には、米国でのインバータ生産を皮切りに需要地に根ざしたグローバル生産体制も構築。現在、中国(上海)、インド、英国でも生産を行っている。
同社では、インバータ開発で長年培った電力変換技術を太陽光発電、風・水力発電、電気自動車など環境エネルギー分野へと展開し、新規事業への取り組みにも力を注いでいる。