分岐点(2014年3月26日)

毎年多くの新社会人を見てきたが、一様に明るい笑顔が素晴らしい。初々しさが、社会人として年輪を重ねると、それぞれ異なる顔つきになってくる。歩む路、歩幅がどうしても顔に出てくる。やがて部下を持ち、部署全体に目配りする立場になったとき、周囲から好まれるか疎んじられるかは、会話力次第である。

入社時から会話力を意識して養うことであろう。とくに、仕事をミスしたときこそ、真の会話力が試される。未経験の分野を仕事に取り込むケースが多くなるのだから、失敗の場面が増えるのは当然のことで、仕事の過程を説明する言葉がしっかりしていれば、周囲も会社も責めはしない。失敗は挑戦の裏返しなのであって、むしろ、有望社員とみられる。

年数が経ち階段を昇るほど、仕事の面で周囲に及ぼす影響が大きくなる。いつも相手が言うまで話をせず、子供のように好き嫌いで相手を判断して会話の場を持たないと、そこで仕事の進行が滞り、部署全体の業績も悪化させてしまうからである。いずれ、会話そのものの重要さに気付くが、あとから会話の大事さを知ってもなかなか自分を変えられないものである。

会話は、聞くことから始まるという。聞く耳を持つことは、こちらから情報を発信して初めて成り立つのだから、聞き手が必要になる。聞いてもらうには相手を理解することが大事になる。周囲が見えるようにもなる。立場が上がるにつれて、会話の場面が増える。相手が同僚から、同業者、そして異業種へと広がる。会話は、言葉をまとめる、聞く、理解する鍛錬になる。今から大いに会話をしよう。

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