エレクトロニクスの総合見本市が中国・上海の上海新国際見本市会場で18日から3日間開催された。Electronica China、produvtronicaChina、LASERworldofPHOTONICSCHINA、SEMICONChina、FPDChinaが同日・同一見本市会場で開かれたが、主催者が欧州の展示会企画運営会社とあって、会場は欧米日中の企業を主体とする競演であった。
中国の製造業は、台湾系企業がまず品質向上が不可欠との認識を持ち、品質管理体制の強化に取り組んできたが、近年はローカル企業の間でも品質に対する認識が出てきているという。こうしたローカル製造業の品質への取り組みは、台湾系制御機器企業を成長させ、現在はローカルの制御機器企業を次々に輩出している。
展示会場では、中華系機械・装置企業や制御機器企業がスペースを拡大し、欧米企業を意識したセールスを展開した。
日系も多くのFA関連企業が顧客獲得に取り組んでいた。そのひとつである「ジャパンパビリオン」では高品質を前面にアピールし、来場者の購買意欲をかき立てていた。「展示品を見てその場で買いたい」(国際電業)、「初めて出展したが、ローカル企業のレベルが高く反応が良かった」(高木商会)、「中国市場を理解できた」(WashiON共立継器)、「販売見込み客が多かった」(多加良製作所)、「新規開拓のほか新規商社も獲得できた」(指月電機製作所)、「製品の実機を見てもらい、評価を得た」(シマデン)と、出展社は中国市場に確かな手応えを感じていた。
中国製造業は、これまで価格を前面に打ち出してきたが、欧米日系メーカーを目標に技術革新に取り組んでおり、価格プラス品質を追求し出している。品質志向は、ローカルの輸出企業から内需企業へ波及しつつあり、高品質がセールスポイントの日系制御機器メーカーにとって市場のすそ野が広がっている。中国の制御機器市場は日本の3倍以上の規模と推定され、日系制御機器各社は、ローカルの内需企業の開拓が今後の売り上げ増進のカギを握りそうだ。