京阪神地区では、2013年に開業した大阪・梅田の複合施設「グランフロント大阪」や、今年3月に開業した大阪・阿倍野の日本一の高層ビル「あべのハルカス」が賑わいを見せているが、今後も大規模な複合施設や商業施設の建設・リニューアルが計画されている。関西地区の制御機器業界でも、「こうした建設計画が経済や産業を立て直す機会につながれば」と、期待する声が多くなっている。
関西地区の制御機器業界の年度末状況は、4月から消費税増税を控え、昨年の11月頃から前倒し需要が表れ始め、2月頃まで受注が活発であったが、3月に入ってからは落ち着きを見せている。4月以降については、「6月頃までは低調に推移するだろう」という厳しい見方と、「4月からの第1四半期も大きな落ち込みはないだろう」という楽観的な見方に分かれている。
関西地区は現在のところ、経済・産業の起爆剤につながる大きなイベントやプロジェクトの予定がないことから、建物の新設やリニューアル需要に期待がかかる。関東や東北で活発になりつつある公共投資や設備投資の影響が少しずつ波及してきており、長期的には「良い方向に向かっているのでは」と指摘する声が強い。
大阪・梅田では、阪急阪神ホールディングスが、阪神百貨店と新阪急ビルを建て替え、大型複合ビルを建設する。ビル内には百貨店やオフィスのほか、ビジネス活動を活性化させるカンファレンスゾーン、災害時に帰宅困難者が一時滞留できるスペースとしても活用する。14年から着工開始し、23年の完成を目指している。地下4階・地上38階建て、延べ床面積約25万平方メートル、高さは190メートルというもので、梅田の一等地ということもあり、大きな話題を呼んでいる。
隣接するヨドバシカメラのヨドバシ梅田ビルは、2期事業が計画されており、大阪・中之島では朝日新聞社がツインタワービル西棟の建設を計画。ツインタワー西棟も地下4階・地上42階建て、延べ床面積約13万平方メートルと大規模で、オフィスのほか商業施設、ホテルなどが入居するという。
このほかにも、同じ中之島地区で大阪市近代美術館、此花区でホテルユニバーサルグランドタワー(仮称)の建設計画、さらに、神戸ではJRと阪急のターミナルの改築計画、京都市では、西京区の市立芸大の移転計画、JR西日本では京都駅周辺の梅小路博物館(仮称)の建設も計画している。