国内制御機器の市場は、7割が商社経由と推測されるが、商社に対する満足度は年々向上している。日本電気制御機器工業会(NECA、長崎春樹会長)商社業務専門委員会(鈴木敏雄委員長)が昨年実施した顧客満足度調査によると、物流、省エネ・環境情報、営業対応力など高い水準にあり、商社への全体の満足度や期待度が前回調査を上回っている。
NECA商社業務専門委員会が毎年実施する国内製造業の商社に対する満足度を計る調査は、単なる商社だけでなく制御機器メーカーにも開発から営業体制まで非常に価値のある情報を提供するため、その内容が業界全体で重要視されている。
今回の調査は15回目で昨年7~9月に実施した。回答数は2086件、回答業種は産業用機械製造業が39%、その他の製造業が28%、盤製造業が12%、業務・民生用機器製造業が12%、非製造業が9%。回答者の所属は、調達が40%、設計・技術が24%、生産技術が13%、保全が11%、営業が7%、その他5%である。
制御機器商社についてのアンケート内容は、商社の選定基準、物流、環境、営業である。回答結果は次の通り。
【制御機器商社の選定基準について】
回答者の7割以上が「価格対応」(79.0%)、「納期調整力」(76.8%)を選定基準に挙げている。次いで、「メーカーとの連携力」(38.8%)、「営業担当者が信頼できる」(25・2%)、「取扱商品が豊富」(22.4%)。価格対応力や納期調整力、営業担当者の信頼は、訪問営業を得意とする商社しか対応できない。
13項目の満足度評価は昨年より0.2ポイントアップし、10点満点の7.4。
【物流面について】
回答者の9割が「約束納期の遵守」(91・1%)、8割が「緊急時の対応」(79.2%)を満足度内容に挙げている。次いで「納期トラブル時の対応」(35.9%)、「誤納品がないこと」(35.0%)、「トータルリードタイム」(33.1%)となっている。
満足度評価は、12項目平均で6・9。前回調査より1・3ポイントアップした。
【環境面について】
回答者の約7割が「国内外規制への対応、情報提供(RoHS等)」(68.5%)、「省エネ商品の提案」について57.2%が望んでいる。次いで「製品含有化学物質調査」(45.1%)、「環境配慮商品の情報提供」(43.8%)などである。
8項目の顧客満足度評価は平均6.7、前回より0.2ポイントアップ。
【営業担当者の基本的な対応について】
回答者の6割が「約束の履行」(60・4%)、次いで「スピード」(58.9%)、「商品知識・情報提供」(50.2%)、「連絡の取りやすさ」(40.5%)、「トラブルの対応力」(34.9%)の順。
10項目の満足度評価は、平均点6・9で、前回より5・0ポイント下がったが、これは「その他」項目の減少(満足度1.3ポイント)が大きく影響しており、その他を除くと前回よりもプラスである。
【営業担当に期待される能力について】
回答者の8割以上が「コストダウンの提案」(83.4%)を指摘、コストダウンへの要求が大きい。「最新技術情報の提供」(63・7%)と高い。次いで、「生産性向上への提案」(37.3%)、「品質向上への提案」(30.8%)。「アプリケーション知識」は21・.%、「安全性向上への提案」は10・1%である。
10項目の満足度評価は、平均で前回より0.7ポイントアップの6.3。
【営業アシストについて】
回答者の5割以上が「約束の履行」(64.7%)、「トラブル時の対応」(57.3%)、「問合せへの迅速な対応」(53.5%)である。10項目の顧客満足度は平均7.4で前回より4.7ポイントアップし、営業アシスタントの評価と価値が高くなっている。