オータックス(横浜市港北区新羽町1215、TEL045ー543ー5621、富田周敬社長)の業績が急速に拡大している。2014年3月期売上高が前期比50%増の83億円強となり、利益も前期の赤字から4億8000万円の黒字になった。特にアルミ事業が約26億円と前期の3倍以上に売り上げが拡大したことが大きく、スイッチ・コネクタ・端子台が53億円、医療関係4億円となっている。現在進めている中期経営計画「PLAN115」の最終年度である16年3月期には売上高100億円達成が視野に入ってきた。
15年3月期は、売上高93億円、利益4億5000万円の計画で取り組んでいるが、新年度から組織を再編して、「医療機器グループ」と「金属加工グループ」を設けた。金属加工は、アルミ加工での10年間の蓄積を横展開することで、スマートフォンやタブレット端末、パソコン部品関連などでも、技術やデザイン、コストなどで評価を確立している。今後は、ユーザーニーズに合わせながら金属とプラスチックの融合化を図った製品設計なども手掛けていく。「社長に就任して3年目になるが、大企業病にならないで小回りの利いたスピード感ある企業に脱皮していくためにスリムな組織にした」(富田社長)。
同社は現在、タイに端子台工場の建設を進めている。3月に竣工予定であったが、設備の輸入ライセンス許可が5月末に遅れた結果、稼働がずれ込んでる。6月には稼働できる見込みだ。
タイ工場は、中国一極集中でのリスク分散と、顧客の近くで生産するという、2つの狙いを持っている。中国工場から生産機械を移動するとともに、タイでの将来の人件費上昇にも対応して自動化生産を進めている。このため人員は50~60人でスタートし、最大で150人体制を見込んでいる。投資額約4億円。
富田社長は「金属加工では、2~3年後はアルミ以外のチタンなど次世代技術にも取り組んでいく。売上高100億円を達成してからは株式の公開も考えていきたい」と語っている。