オムロンは、フィルム表面上の金属異物と非金属異物を判別する技術(特許出願中)を実用化、17日から同社の高機能フィルム検査装置「スーパーNASP−λ(ラムダ)シリーズ」に搭載開始した。
同社は、2012年に独自のMulti Wave Sensing技術(多波長検査技術)を搭載した同シリーズを発売、高機能フィルム検査事業に参入した。同技術は、フィルム表面に様々な波長の光を照射、波長ごとの反応の違いを見ることで欠陥を安定的に検出する。
金属探知機能は、従来のコイルを使用した装置では、数百μメートル〜数ミリの大きさの金属が対象だったが、今回の金属異物検査機能は、ラインセンサカメラで外観検査を行うことで、数十μメートル分解能までの金属異物をロールツーロールの状態で検査することが可能。
金属種は磁性体と非磁性体を問わず、欠陥の形状や大きさまで画像で認識できる。
金属異物と非金属異物を区別して検出でき、二次電池セパレータや電子回路部品向け絶縁シートなど、絶縁シートに求められる高い安全性を確保。
金属異物欠陥流出を低減し、幅広い用途への展開が可能となる。
さらに、後工程での金属異物専用の検査工程が不要になり、再検査による手間とコストを削減、生産効率向上に貢献する。
特に、用途が拡大するリチウムイオン二次電池の主要部材であるセパレータ(絶縁シート)の検査工程において、電極ショートの原因となる微小な金属異物をロールツーロールで検査するニーズが顕在化しており、こうしたニーズに対応する。