世界最大級のものづくり専門展「日本ものづくりワールド2014」が、6月25日(水)から27日(金)までの3日間、東京ビッグサイト東1~6ホールで開催された。「第25回設計・製造ソリューション展(DMS)」「第18回機械要素技術展(M―Tech)」「第22回3D&バーチャルリアリティ展(IVR)」「第5回医療機器開発・製造展(MEDIX)」(主催=リードエグジビションジャパン)の4展合わせて約2100社が出展する。ものづくりの最先端技術やバーチャルリアリティ製品が一堂に集まるだけに、業界関係者にとって欠かせない場となる。
「機械要素技術展(M―Tech)」は、製品の研究開発のための最適な機械要素・加工技術を効率的に導入・比較検討する場として多数のユーザー・専門家にとって欠かせない展示会。
日本のものづくりを支えるのはニッチで技術力の高い要素技術。同展は日本の47都道府県、世界16カ国から、技術力に自信のある企業が1400社以上出展。新製品開発や製造現場の課題を解決する技術が見つかる。同展の最大の特徴は、出展ブースに常駐する専門の技術者と来場者の間で、開発・設計・試作のための詳しい技術相談がその場で活発に行われることだ。「コストダウンを図りたい」「小型・軽量化したい」「品質向上を図りたい」など、日頃から抱えている課題の解決につながるヒントがある。
会場の随所で実際に製品を手にとって、製品の機能や技術の特徴を比較検討し、最適な機械要素・加工技術の導入に向けて技術相談や試作依頼が行われる。例年、同展をきっかけに様々な特注品が誕生しており、技術力のある企業と来場者との絶好のビジネスの場になっている。同展には専門フェアが併催される。
日本最大の製造業向けITソリューションの専門展「設計・製造ソリューション展(DMS)」は、製造業向けITソリューションが一堂に出展し、日常業務における課題解決のための、最適な製品・技術を効率的に導入・比較検討する場として、製造業の設計・開発部門、製造・生産部門、経営企画・情報システム部門などをはじめとする多数のユーザー・専門家にとって欠かせない展示会となっている。
今回は、国内外のメーカーや関連企業を合わせて60社から話題の3Dプリンタの新製品や実機が出展される。一口に3Dプリンタと言っても、造形技術や使用素材は様々。代表的なものに、金属粉末をレーザー等で焼き固める粉末焼結造形、樹脂材料を使う熱溶解積層法と光造形法、液化材料をノズルで蓄積させるインクジェット方式がある。また、産業用から個人向けまで新製品が続々登場する。
3Dプリンタは、累積出荷台数シェアの80%超が欧米。そのほとんどを米ストラタシスと米3Dシステムズの2社が占めている。日本は工作機械で世界を席巻する一方、3Dプリンタのシェアはわずか3・3%。まだまだ成長の余地の大きい分野。今年4月には、パナソニック、三菱重工、シーメット、東北大、産業技術研究所などが参加する産学官の「次世代3D蓄層造形技術総合開発記号(TRAFAM)」が経産省主導で発足するなど、3Dプリンタは日本の製造業の成長軸として様々な業界から注目を集めている。
また、3Dプリンタは、3次元測定器で取得した3DCADデータをインプットすることで初めて造形が可能となるが、試作(3Dプリンタ)の他、設計(CAD、CAE)、加工指示(CAM)、生産管理システム(SCM、ERP)に至るまで、デジタル化する製造プロセスのあらゆる製造業向けITソリューションの最先端技術が一堂にそろう。
「医療機器開発・製造展(MEDIX)」は、医療機器を開発・製造するための部品、装置などが一堂に集まる専門展。
医療産業は今後、アジアを中心に大きな成長が期待され、高い技術力を持つ日本にとって、有望な市場の一つと言え、今回240社が出展する。
現在、世界の医療機器市場はアメリカが約8兆円、欧州が約6兆円、日本が約2・4兆円で第3位。先進国の高齢化、新興国の経済水準の向上、また医療関係は景気に左右されにくい性格があり、今後も安定した成長が続き、市場規模は拡大していくことが見込まれる。自動車産業や電気・機械関連産業に代わる日本の成長産業として期待が集まっている。
13年に厚生省による改正薬事法(医薬品医療機器等法)が成立。これを皮切りに、経産省の医工連携の推進とその諸施策も進んでおり、今まで進まなかった他業種からの参入や技術応用が加速することが期待されている。併催の専門セミナーでも、日本発の医療機器開発を推進するキーパーソンからの提言や、医療機器の開発強化と迅速な実用化に向けた政府の諸施策を紹介する。
「3D&バーチャルリアリティ展(IVR)」は、バーチャルリアリティを実現するために必要な最先端技術のほか、超高精細ディスプレイや、AR、3D立体放送技術などのあらゆる3Dの最新製品や技術を、効率的に導入・比較検討できる絶好の機会となる。
製造業をはじめ、放送局、映像製作会社、映画・アミューズメント業、官公庁、大学・研究機関などの幅広い分野から関心が持たれている。