相原電機(大阪市平野区瓜破4―2―32、TEL06―6707―3456、城岡充男社長)は、7月7日で創業50周年を迎えたが、次のステップに向け、トランス単体製品、高周波リアクトル、さらにリアクトル一体型トランスなどを中心に、既存事業の拡大と新規分野の開拓を積極的に行っていく。
同社は2005年から、「礎」「飛翔」「大河」の各3カ年の中期計画を実行してきた。特に最後の大河では、最大のテーマとして「新分野への注力」を掲げ、礎時代から着手してきた新分野を開拓するための技術を駆使し、高周波リアクトルや非接触給電システムなどを開発し、一定の成果を収めた。
51年目からは、社会に求められる、「省エネ・蓄エネ・創エネ」のテーマに対応することを基本に、同社が長年の技術で培った産業用トランスと、新分野開拓で成果を挙げた高周波リアクトル製品、さらに、パワー半導体分野にも応用できるリアクトル一体型トランスなどの製品を中心に、既存分野の拡大と、新規分野のさらなる市場開拓を推進する。
同社の高周波リアクトルは、非晶質ナノ合金ファインメットカットコアを採用し、リッツ線、銅箔とのコンビネーションにより、低損失、省スペース、低騒音を実現。すでに入力力率改善や突入電流を軽減するためにインバータ用や、電力系統連携試験装置用などに採用されている。
最近では、低損失という特徴を生かし、6kVAという小型パワーエレクトロニクス製品を開発。
パワー半導体にも応用できる製品で、工場の電源関係や移動車の制御、燃料電池やスマートハウスの蓄電システムなど、産業・民生の両分野で活躍できる製品として、積極的な営業を行っている。
また、同社は業界で初めて高周波リアクトルとトランスを一体化した製品を開発。この高周波リアクトル一体型トランスは、太陽光発電など再生可能エネルギー関連分野で注目されており、採用が確実視されている。
高周波リアクトルは、太陽光発電の変圧に必要であるが、従来、高周波リアクトルとトランスは個別に取り付けられていた。リアクトルとトランスを一体化することで、太陽光発電システムの小型化や高効率化に寄与できる。この分野でも商談が進んでおり、同社は今後の展開に期待をかけている。
人材育成にも力
城岡社長は、「3つの中期計画を通じ、リアクトルなど新規分野に向けた製品開発が進展した。これに伴い、トランスをベースに電源製品における技術面で格段の進歩があった。50周年以降の事業展開として、今後は人材育成にも注力し、トランス専門メーカーとしての責務を果たすとともに、自社製品に自信とプライドを持って積極的な商いを行っていきたい」としている。