オーストリアに本社を置くFA制御機器の大手メーカー、B&R社が28カ国目の海外法人として3月10日付で日本に「B&R インダストリアル オートメーション」(横浜市西区高島1―1―2、TEL045―263―8460、小野雅史社長)を設立し、6月から営業を開始した。
B&R社は1979年設立で、2013年度の売り上げは約700億円。
現在の製品は、PLC、産業用コントローラ、モータードライブシステムの3製品を中核にした展開を行っている。製品の90%が機械や装置に内蔵したOEM販売のため、ブランドが表に出る機会は少ないが、機械関係だけでも、約3400社2万6000以上の工場で稼働しているという。
グループの社員数は2600人で、このうち半数を技術スタッフが占める。
同社の特徴は「Perfection in Automation」のビジョンの通り、顧客のための製品をつくることをモットーにしている。また、生産は本社のあるオーストリアでのみ行い、海外生産は行っていないのも徹底したものづくりと言える。
日本法人は小野社長を含め7人体制でのスタートで、4年後には20人ぐらいまで増員し、5年後に大阪にも拠点開設を計画している。
同社では、アジア・パシフィック市場を重視しており、この地域の全社売り上げ比率を現在の10%から、19年には30%まで引き上げる。「PLC言語について、オープンな標準言語の採用を機械メーカーが当社に求めて来ている。背景には技術継承などの問題があり、当社にとっても追い風になっている」(小野社長)という。
同社が注力して普及に取り組んでいるパワーリンクは、5大ネットワークのひとつとして評価を高めており、「イーサネットレベルの中国国家規格として初めて認められた」(小野社長)。
小野社長は「市場が日本から海外に広がっていることで、当社にとってこれからは追い風となってくる。製品デザインも評価されており、市場への浸透を進めていきたい」と語っている。