指月電機製作所(伊藤薫社長)は、低コストで複数のコンデンサ容量を構成して力率を改善する「容量可変型低圧進相コンデンサ」(盤内収納用)を近日発売する。
再生可能エネルギーなど新エネルギーの普及で分散電源化の動きが進み、電圧上昇や無効電力ロスを最適化する設備がますます重要視されている。同社が開発した容量可変型低圧進相コンデンサは、1台のコンデンサで複数の容量を構成するので、コンデンサを複数台使用する場合に比べランニングコストが大幅に低減できる。
さらに、動力変圧器の損失や、インバータ機器からの高調波流出電流を低減するとともに、受電点の力率を適正に維持する。これにより、昼間は力率割引を優先、夜間は損失削減を優先する制御方式を採用することで、省エネを推進する。
プラスチック加工工場で、既存の高圧コンデンサを容量可変型コンデンサに置き換えた導入事例では、導入時のトランス損失が高圧コンデンサの場合3500kWh/年に比べ、容量可変型コンデンサの場合1439kWh/年と、約60%低減できた。年間の変圧器損失低減では、2061kWh/年、受電点力率の適正化では、終日の力率が0・39から1・0に改善された。また、設置面積は従来の高圧コンデンサと比較し、3分の1の省スペースを実現した。
仕様は、回路電圧220V。三相。定格周波数50〓、60〓。保安装置・温度センサを内蔵。自己遮断機構付き。定格設備容量は16・6kvar/50kvar。