不二電機工業 可視光通信事業に参入 発電施設のメンテに応用

不二電機工業(小西正社長)は、可視光通信事業に参入する。可視光通信事業を手がけるアウトスタンディングテクノロジー(東京都中央区日本橋3―5―12、TEL03―6265―1780、村山文孝代表取締役CEO)と提携し、発電施設関連のメンテナンス分野を手始めに可視光通信の実用化を進めており、今後、新規事業の柱として積極的に展開していく。

可視光通信は、LEDの光(波長360nm~830nm)に信号を重畳し、通信する最新の超高速無線通信技術で、高速に点滅する可視光素子の特徴を利用しデータ送信を行う。既存の照明器具に可視光通信用のLED照明を取り付けるだけで通信インフラになり、照明機能と同時に安価で通信が可能となる。

携帯電話や無線LANなどの無線通信は、電磁波が人体に影響を与えることから送信電力が上げられないことに加え、電波法により広帯域の無線周波数が自由に使用できない、精密機器が多い病院などで使用できない、通信機器の設置や場所を確保する必要があるなどの課題があった。

可視光通信は、可視光帯域が人間に安全で、照明に用いる数ワットという高い電力でそのまま送信することができる。照明はあらゆる場所に設置されており、通信機器の設置や場所確保の必要がない。LEDを使用するので省エネと環境に優しいという特徴を持つ。

また、指向性が高く、照明が当たる場所や特定の相手のみ通信が可能でセキュリティ性が高い。

こうしたことから、電磁ノイズや法規制により無線通信が利用できない病院や工場、研究施設、トンネル、飛行機などで実用化へ向け製品開発が進んでいる。

同社では、可視光通信事業を手がけるアウトスタンディングテクノロジーと提携し、可視光通信の実用化に向けた研究開発を進めてきた。まず、精密機器が多い発電施設関連のメンテナンス分野に応用することを考えており、今年中に試作品を作成し、関連の展示会に出展するなど積極的にPRを行っていく。さらに、可視光通信システムを実用化するために設立された「可視光通信工業会」にも参加する方針で、電力関連、鉄道関連に次ぐ事業として取り組んでいく方針である。

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