富士電機は、高性能・コンパクト型インバータ「FRENIC―Ace」を8月5日に発売した。同社の「FRENIC―Multi」の後継機種で、体積を約15%小型化するなど大幅な改良がなされている。
当初のラインアップは0・1kW~22kWで、希望小売価格は5万2400~96万80000円。垂直・水平搬送機などの用途を中心に浸透を図り、2015年に15億円の売り上げを目標にしている。
新製品は、高度な演算機能「カスタマイズロジック」を標準搭載しており、設備の特性に応じた制御を可能した。
例えば、天井から重量物をモータで巻き上げるホイストクレーンは、吊り上げる対象物の荷重に応じてモータの回転数を細かく制御することが求められる。従来は汎用インバータに、PLC、リレー、タイマなどで構成した制御回路を組み合わせることが一般的であったが、新製品は単体でこうした高度な制御ができる。
さらに、2種類の負荷定格に対応できるようにしている。ファン・ポンプなど、過負荷耐量120%以下の穏やかな加減速、連続運転の用途であれば、1枠下げたインバータ容量を使用できる。最適な容量が選定できることで、設備のコストダウンや省スペースへの寄与が期待できる。
また、業界最小クラス(0・1~0・75kWの容量帯で幅68ミリ)のコンパクト設計を実現しており、制御盤の小型化にもつながる。
富士電機は、ブランドステートメントにも示される通り、トップランナー規制対応モータなどと合わせ、「エネルギーを効率的に利用できる製品」の開発に注力し、持続可能な社会の実現を目指している。