安川電機は、パラレルリンク機構を採用したロボット「MOTOMAN―MPP3H」を8月25日から販売開始した。価格はオープンで、販売目標台数は年間400台(パラレルリンクロボットシリーズ全体)。
同社は、食品・薬品・化粧品などの小物製品およびその中間製品の搬送・整列・箱詰め用途を中心に、2011年6月からMOTOMAN―MPP3を販売しているが、今回さらに使いやすさと衛生管理のしやすさを追求してモデルチェンジした。特に、業界初の中空ボディ構造の採用やボールジョイント部のグリースレス化など、衛生管理のしやすさを向上させている。
搬送能力は、クラス最速の3キログラム可搬時で150cpm、1キログラム可搬時で230cpmを継承し、手首軸許容慣性モーメント0・017キログラム・平方ミリと大きく、ダブルハンドを使用した高速搬送も可能など、生産性向上に貢献する。
また、3キログラム可搬でクラス最大の動作範囲1300×H300ミリを持ちながら、フットプリントは同クラス最小の750平方ミリを実現し、コンパクトな搬送システムの構築が可能。
更に、中空ボディ構造は配線・配管を簡素化し、ロボットの動作や周辺設備を考慮して配線ルートを確保する煩わしさを軽減、作業性・信頼性の向上につながる。
しかも、ボールジョイント部のグリースレス化へ、日本食品衛生法認証の自己潤滑樹脂の採用で、カバーで覆われていない関節部(ボールジョイント部)からのグリースの落下そのものを排除でき、搬送物の衛生に関する懸念をなくしている。
そのほか、オプションのアプリケーションソフト「MotoPick」を使用すると、コンベヤ・搬送物・複数台のロボットなど様々な搬送条件に合わせて、PCでロボットの動作を容易に設定できる。
なお、より省スペースを必要とする用途・設備向けには、小型パラレルリンクロボットMOTOMAN―MPP3Sもラインアップしている。