横河電機は、業界最高クラスの温度分解能で業界最長クラスの長距離を測定できる光ファイバ温度センサ「DTSX3000」の販売を開始した。価格は、測定距離10キロメートルまでが450万円から、50キロメートルまでが950万円から。2014年度20台、15年度100台の販売を計画。
新製品は、光ファイバ50キロメートルを1メートル間隔で高分解能に測定できる。従来、光ファイバ温度センサを使って6キロメートルより長い距離の温度分布を測定する場合は、複数台設置する必要があったが、新製品を使うことで同社従来製品比8倍の測定が可能になり、長距離電力線、高温・低温の液体・ガスを輸送するパイプラインや、これらを貯蔵するタンクなど大型設備表面の温度分布の測定に最適。
また、シェールガス開発で、地中深くの岩盤を水圧で破砕して割れ目を入れる際に地層の温度分布を測定するためには、温度変化が微小なため高い温度分解能のセンサが求められているが、新製品で6キロメートルの光ファイバを10分間測定した場合の温度分解能は、従来製品比20分の1以下の0・03℃と業界最高クラスの温度分解能を発揮でき、岩盤破砕時から、ガス回収中の井戸内部の温度監視まで活用できる。
同社の光ファイバ温度センサDTSX200は、非在来型の石油・天然ガス井戸内部に挿入して地中の温度変化を測定し、ガス回収のための制御に活用されているほか、パイプラインやタンクにおける高温・低温の液体・ガスの漏れ検知や、石炭やパルプチップを運搬するベルトコンベアの異常発熱の検知など、温度を監視することで設備保全に役立っている。
従来の監視カメラ画像による確認や、熱電対、測温抵抗体などの温度センサを多数設置して温度を監視する場合と比べ、光ファイバ温度センサは測定対象の形状に沿って敷設でき、保全員はPC上で温度分布を把握できることから、万が一異常が発生しても、発生場所をひと目で特定し、迅速な初動を取ることが可能になる。
同社では、従来以上に微小な温度変化も見逃がさず、1台でより長距離、広範囲の温度分布監視を行いたいというニーズに応え開発した。