日本信号は、既存のICカードと同社の人体通信システムを連携し、ICカードをタッチする操作のハンズフリー化を実現した、人体通信システム「elefin(エレフィン)」=写真=を開発、評価セットとして販売を開始した。ICカードは、カードをかざす時に両手がふさがっていたり、手袋をはめていると不便な面がある。elefinは、人体と送受信機、周囲に存在する誘電体や導電体から形成される経路(電界)により通信を行う、人体通信技術を活用したシステム。
人体通信の原理は、送信機側の発振により人体に電界を生じさせ、この電界の変化を受信機で検知する。送受信機の電極と人体が直接触れていなくても通信でき、ハンズフリーでICカード認証が可能である。
例えば、入退管理装置に応用した場合、ICカードを入れた専用のカードホルダを携帯し、フロアアンテナを設置した床に乗ると、身体の電界通信でIDを伝播、それを認証し電気錠が開錠する。無線通信タグと違い、近傍のICタグを間違って認識する心配がない。
応用例として、工場では生産効率向上のため認証操作のハンズフリー化や、セキュリティ区画の無駄の排除など。病院の手術室や食品工場では、タッチレスにより無菌状態維持などの厳重な衛生管理と入室制限が可能。
評価セットの内容は、コントローラ1台、フロアアンテナ1枚、カードホルダ4個がセットで、サンプルアプリケーションと各種ドキュメントが付いている。