横河電機は、ノルウェーのガスセキュア社のISA100Wirelessに準拠の無線ガス検知器を、同社グループが全世界で販売する契約を締結した。
フィールド無線システムは、プラントに設置されるフィールド機器と、監視・制御システムなど上位のシステムとの間の通信を無線化するもので、配線が困難な場所にフィールド機器などを設置でき、通信ケーブルや敷設コストが削減できるなど多くのメリットがある。
横河は、ISA100Wirelessに準拠した無線技術および無線対応機器の開発に取り組み、各種の無線対応機器や、有線機器に取り付けて無線機器として使用できるアダプタなどを提供している。
ガスセキュア社の無線ガス検知器は、爆発の原因の一つである炭化水素の漏れを監視するもので、低消費電力の赤外線センサによって炭化水素の濃度を測定し、5秒ごとに無線システムを経由して上位システムに情報を送る。
ガス検知器と上位システムは、二重化されたISA100Wirelessのフィールド無線システムで結ばれており、有線システムと同様の信頼性を確保できる。
また優れた耐環境性を有し、センサの表面を温めて結露を防ぐ機能を搭載しているため、湿度の高い場所でも使用でき、北極圏から熱帯地域までの使用に耐えられる。
さらに測定は、安定した三つの波長の赤外線を利用して行うため、通常のセンサには不可欠である校正が不要。
電力消費も、MEMS(微小電気機械システム)技術を用いたセンサを採用しているため、平均5mWという低消費電力を実現しており、他の電池駆動型のガス検知器に比べ、電池交換頻度を大幅に下げることが可能。主な用途は、石油、石油化学、化学などの生産工程における炭化水素の漏えい検知。
ガスセキュア社は、2008年にベンチャーキャピタルによって設立された無線ガス検知器の専業メーカーで、売上高は約3億円。