IDECは、物流、FA、リテール、ヘルスケアの4つの市場をターゲットに、Auto―ID(自動認識)事業を強化拡大し、2016年度に売上高25億円を目指す。
同社は、1976年からイタリアの大手自動認識機器メーカー、データロジック社との間で協業し、主にバーコードリーダを中心に自動認識機器の販売を行ってきた。
14年4月1日には、子会社だったアイデックデータロジックと、データロジック社の自動認識事業を統合して、IDECグループのAuto―ID事業を担う中核会社「アイデック・オート・アイディ・ソリューションズ」として新たなスタートを切り、主に営業活動と顧客サポートを行ってきた。
また、IDECでは、Auto―ID機器・システムの企画・開発・製造を行うために、13年4月にAuto―ID事業部を設置。
今後、同事業部とアイデック・オート・アイディ・ソリューションズが協力して、同社の中期計画における新規事業の柱の1つとして、Auto―ID事業の強化・拡大を図る。
具体的に、物流、FA、リテール、ヘルスケアの4つの市場をターゲットに、「こだわり」を持った高品質で高機能の製品とサービス提供を行い、事業を拡大し、自動認識機器の売上高を13年度の約10億円から、14年度11億円、15年度16億円、16年度25億円を目指す。
分野ごとの展開として、物流市場では、世界最高速クラスの読み取り機能を持つ高速CCDビジョンシステムが、大手運輸会社の配送センターに多数採用されており、大型高性能レーザスキャナは空港の手荷物仕分けシステムで採用されている。今後、コンベアにおける荷物の認識システムなど、顧客の要求に適合した新製品・新機能の投入を行う。
FA市場では、タイヤ生産工程などで2次元イメージャー、プリント基板アッセンブリ工程でレーザスキャナなどが実績を上げているが、今後はFA市場において、顧客のアプリケーションニーズにマッチしたソリューション提供による製品力のアップや、同社の制御系営業チャネルとの相乗効果を出していく。
リテール市場では、イン/オン・カウンタースキャナや開発中のセルフPOSシステムなど、画像認識技術を駆使し、高速なコード読み取りと作業性や効率の向上、さらにタブレット技術との融合などを図り、顧客満足度の向上を進める。
ヘルスケア市場では、院内管理システム、医薬品・検体分析システム、三点認証システムなど、医療現場への自動認識機器の適用拡大を図り、医療関係や医療機器メーカーなどとの連携により、新たな販売チャネルの構築や、トレーサビリティ・ソリューションの充実を目指す。
IDECのAuto―ID事業部早川浩部長は「当社の自動認識機器事業は販売が主だったが、Auto―ID事業部設置に伴い製品開発体制が整い、新製品がリリースできるようになった。顧客のソリューションを吸収し、より市場にマッチした機器・システムを提供したい。また、顧客に新しいイノベーションを発想できるような製品・技術を提供し、国内の市場を創造拡大するような事業性を出していきたい。約600億円といわれる自動認識機器市場において、できるだけ早い時期にシェア10%を獲得したい」としている。