オムロンは、基板外観検査装置「VT―Sシリーズ」の最上位機種として、独自のカラーハイライト3D形状復元技術に加え、位相シフト検査技術を搭載した、フル3D基板外観検査装置「VT―S730」を発売した。価格はオープン。基板外観検査装置は、プリント基板に実装された部品のはんだ付け状態を、画像処理技術を用いて検査する装置。
同社はリフロー工程後にはんだ付け状態を検査するVT―Sシリーズなどで、世界のトップシェアを有している。
VT―S730は、カラーハイライト3D形状復元技術に加え、部品本体やリード(部品の電極)の位置検出に適した、位相シフト検査技術を新たに搭載。
3D形状復元技術は、はんだのような鏡面体を安定して検査する検査原理。品質の基準となるフィレット(はんだの山形状態)の高さ/幅/長さを定量的に捉えることが可能。位相シフト検査原理は、部品本体やリードのような拡散面を検出することが得意である。
2つの画像処理技術を組み合わせることで、はんだ形状の復元精度を向上させるとともに、浮き・傾きなど部品の姿勢に特徴が表れる不良の検出を容易にした。これにより、検査工程の垂直立ち上げに貢献し、良品の見極め精度を格段に向上させた。
さらに、隣接する部品やはんだに反射した光による二次反射や影の影響を軽減。基板設計の自由度が広がり、小型化・軽量化の市場ニーズへ迅速に対応できる。
加えて、専門スキルがなくてもランドの抽出、部品本体ウィンドウの生成、品質管理基準値の設定という3ステップにより、検査プログラムの垂直立ち上げが可能になった。
また、品質の管理や分析を行う品質管理システム「Q―up Navi」により、不良品の発生を未然に防ぐ工程改善や仕組みの構築にも貢献する。