フエニックス・コンタクト(横浜市港北区新横浜1―7―9、TEL045―471―0050、青木良行社長)は、日本でのプッシュイン端子台市場の拡大に向けての取り組みを強めている。7月に東京と大阪でセミナーを開催して製品への理解を深めてもらうとともに、同社がパートナーと位置付けている販売代理店と一体となり、プッシュイン端子台市場を開拓していく方針。
FA制御機器で幅広い品ぞろえを持つ同社であるが、「プッシュイン端子台が日本市場で売れないと一流のメーカーとは言えない」(青木社長)として、注力している。
日本の端子台が電線と丸端子を一体として配線接続するのに対し、欧州市場を中心に使用されているのが、端子を使わず電線をそのまま端子台に差し込む接続方法で、圧着やねじ締めなどの作業が省けることから普及している。しかし、日本では接触信頼性などで不安視し、端子台全体の10%前後の普及にとどまっている。
同社では、長期間緩まない保持構造と、配線作業の簡易さなどを大きなセールスポイントにして市場への浸透に取り組んでいる。大容量用途では、日本配電制御システム工業会などの会員向けにアピールを積極的に行い、そのメリットを訴求している。
また、端子台のアッセンブリも、社内の品質レベル基準に合致した協力工場を使って行うことで、ユーザーニーズにきめ細かに対応している。
同社はパートナーである販売代理店を重視した戦略を推進しているが、プッシュイン端子台の販売でも同様に取り組んでおり「過去の販売経験値と営業情報により、売れ筋機種を中心に即納体制での在庫管理を行っている」(青木社長)という。
青木社長は「今期はこの先、多少不安な面もあるが、現在までのところ、昨年実績を上回る売り上げを確保できている。来年4月のハノーバーメッセ、秋のSCF2015などに向けて、プレゼンスを上げていきたい」と今後への意気込みを語っている。