日本国内での雇用拡大とイノベーションの創出を図るために、政官学民一体となってベンチャー企業の活性化を目指す「ベンチャー創造協議会」が9月24日に発足した。今後、グローバル市場での競争もにらみながら、国内の大企業とベンチャーとの提携による革新的な新事業の創出につながるオープンイノベーション化などを推進し、日本経済の活性化や起業の活発化を進める。
経済産業省が音頭を取って設立する「ベンチャー創造協議会」は、今年4月に提言されたベンチャー有識者会議での「わが国ではベンチャーが数多く起業し、成長する環境が整っていない」という課題を解決するのが目的。
政府の「日本再興戦略」においても、「産業の新陳代謝とベンチャーの加速」を政策の柱に掲げ、企業の開廃業率倍増の目標を設定している。
経産省では、社会全体で新しい挑戦をする、という大きな視点の下、大企業・中堅企業とベンチャー企業の連携などを促進しながら、日本での「ベンチャー創造の好循環」を生み出そうとしている。
同省では今後、協議会への参加を既存企業、ベンチャー企業、ベンチャーキャピタルなど支援機関、金融機関、大学、政府関係機関などに対して広く募り、マッチングイベント、人材育成プログラムの情報共有の場を提供していく。
■24日にカンファレンス
そのための取り組みのひとつとして、「ベンチャー創造協議会設立カンファレンス」を、虎ノ門ヒルズ(東京都港区)で24日開催した。
カンファレンスでは、ベンチャー創造協議会の概要説明をはじめ、先進的な取り組みを行っている事業者や有識者によるパネルディスカッション、さらに併催で、次世代有望ベンチャー企業200社が、ヘルスケア、クリーンテック、ウェアラブル、ロボティクス、モビリティーなどの分野別にブース出展し、最先端の技術や製品を一堂に披露する「次世代ベンチャーショー&NEDOロボットベンチャーショー」も開かれる。
経済産業省は、こうした取り組みを進めることで、既存企業とベンチャー企業の連携などを促進し、日本経済全体でのベンチャー創造の活性化につながることを期待している。