東京都大田区産業振興協会は12日、大田区産業プラザで「欧州セミナー」を開催した。このセミナーは、日本のものづくりを根幹で支える大田区の中小企業向けに、「ヴォー州(スイス)」と「モゼール県(フランス)」の市場性、投資環境について紹介するもの。
従来、日本の製造業が海外展開する場合、中国、東南アジアなどに進出するケースが多かった。しかも、大手日系企業を主な顧客層としており、外資系企業を顧客ターゲットにして進出する中小企業は少なかった。
今回のセミナーは、研究開発拠点としても注目され、高付加価値製品に相応の対価を支払う土壌がある欧州がテーマということもあり、参加者は熱心に聞き入った。
モゼール県はフランス北東部に位置し、小型車「SMART」、高速鉄道TGV用レールの生産などの産業が盛んな地域。大手家具メーカー、イケアの物流センターが作られるなど、交通アクセスが良く、法人設立コストも低いことなど、物流拠点としても魅力がある。
ヴォー州はスイス西部にあり、欧州の中央部に位置する。日産、日東電工など日本企業も多数進出している。大田区とヴォー州は産業分野における連携推進について覚書を交わしており、地元企業が低リスクで進出を検討出来るように、事務所の無償貸し出し、現地企業とのアポイント取得などのサポートを受けられる。