図研エルミック(朝倉尉社長)は、JVCケンウッドと共同で、FA機器のネットワークシステムとセキュリティ機器のネットワークシステムの連携・融合を実現するソリューションを開発、今年12月から販売開始する。
今回、FAネットワークの「CC―LinkIEField」と、セキュリティ機器ネットワークの標準規格である「ONVIF」をつなぐゲートウェイを開発することで、両システムの業界初となる接続を可能にした。
接続実現のため、ONVIFのミドルウェアをライブラリとして提供している図研エルミックの技術と、JVCケンウッドのセキュリティカメラの技術を融合。ゲートウェイを介してつなぐことで、FA制御機器とIPセキュリティカメラシステムを接続、様々な安全・安心の実現を可能にしている。
例えば、製造ライン上の装置が異常を感知した場合、自動的に異常発生個所を監視カメラがズーム録画したり、PLCが装置に材料投入の指示を出すと同時に、カメラに録画指示を出すなどの連携がすべて自動的に処理される。
JVCケンウッドは、映像技術、音響技術、無線技術をコアコンピタンスに、セキュリティカメラを核にシステム設計、施工を含めたソリューションを提供している。また図研エルミックは、TCP/IP技術を軸に、通信系ミドルウェアの提供を行っており、セキュリティカメラ市場向けONVIFライブラリを進化させ、これらを他のネットワークと有機的に融合することで、監視を超えたソリューション提案を狙っている。
現在、FA分野では個々のネットワークが他分野との結合が実現できていないことが多く、各分野における高機能な機器類を総合的、発展的に活用できず、生産性を損なう状況が見られる。
今回、IPカメラによる生産現場の画像とFA制御機器の情報連携および制御連携が可能になり「人の見える化」や「異常個所の見える化」が実現する。
なお、ONVIFは、OpenNetworkVideoInterfaceForumが策定した、監視カメラなどのIPセキュリティ機器をつなぐためネットワーク規格。ONVIFに準拠していれば、異なるメーカー間のセキュリティカメラ、サーバー、モニターなどがインターネット上でシームレスにつながる。