アズビルは、国内5カ所に「バルブメンテナンスセンター」を開設し、ソリューション型バルブメンテナンス事業を拡大する体制を整えた。
同社の鹿島営業所、千葉営業所、四日市営業所、水島営業所、香春(かわら)技術センターの事業所に設置したもので、日本全域をカバーする。
「バルブメンテナンスセンター」は、同社が長年のバルブ関連事業で培った技術やノウハウを集約することで、最適かつ効率的に提供することを目的にしている。
プラントや工場で使用されているバルブは、安全かつ安定した稼働のため、メンテナンスが必要不可欠だが、昨今では、製造現場のコスト削減要求により、メンテナンス周期の長期化など、一層の効率化が求められている。同時に、経験豊富な保全人員の退職などで、安全を確保するために必要な従来の保全体制の維持やメンテナンスの実施が困難になっている。
バルブメンテナンスセンターはこのような現場の課題に対して、センター間で専門技術者や作業場所および機材を相互に補完することで、機動的な対応が可能な運用体制にした。特にコンビナートの大規模な定期点検が重なりメンテナンス作業が集中する場合など、フレキシブルでスピーディな対応につながる。
さらに点検・整備といったメンテナンスだけでなく、昨年10月に販売を開始した専門技術者の診断・解析による正確な状態把握から保全計画の提案を行う診断サービスなど、様々なソリューションを幅広く提供できる。
同センターでは、同社製・他社製を問わず、高品質な点検・整備や修理を行う。同時に、国内と同様のソリューションを海外でも提供するため、専門技術者の育成を目的とした教育を実施していく。
同社では、今回のバルブメンテナンスセンターの稼働で、ソリューション型バルブメンテナンス事業を、中期経営計画最終年度の2016年度には、13年度国内売り上げ30%増へ拡大を図る。