三菱電機と米・インテルは、次世代FA(ファクトリーオートメーション)システムの開発、ならびにIoT(インターネットオブシングス)技術を活用した予防保全ソリューションで協業する。三菱のe―F@ctoryソリューションとインテルのIoT技術を組み合わせることで、障害予測などの革新的な機能を提供して、FA工場の生産性を高めることを目指す。予防保全ソリューションは、2015年までに商用化する計画。
三菱電機のe―F@ctoryは、工場の見える化とTCO(総所有コスト)削減を実現するソリューションとして、iQ Platformで様々なFA機器のハードウェア・ソフトウェアを統合した「ワンプラットホーム化」を進めている。さらに、産業用オープンネットワークである「CC―Link・CC―LinkIE」で、生産設備や製造装置の機器間の最適な接続を図ろうとしている。
インテルは、IoTによるメリットを享受するためのFAソリューション、コネクテッド・システム、データセンター関連技術などに強みを持ち、複数の個別のシステムを単一の機器上で統合・管理して、より効率的な自動化プロセスの実現に向け低リスクな方法を提供しようとしている。
すでに最初の取り組みとして、マレーシアにあるインテルの製造施設のバックエンド工程で、インテルのAtomプロセッサーを搭載したIoTゲートウェイと、三菱のiQ Platform対応のC言語コントローラを活用して、ビッグデータ分析用のサーバーにデータを安全に取り込むことを行っている。
このソリューションは、不良品の仕分けミスを最小化できるため、製造装置の収益性・生産性の向上に加え、障害予測に基づく事前の保守管理と部品故障の低減を実現している。試験導入の結果、インテルでは運用面でのコストや意思決定に要する期間の短縮につながり、900万ドルのコストを削減できた。
インテルのロビン・マーティン製造技術部門担当副社長は「今回の協業を通じて、障害などの予測が可能になる分析機能を備えた次世代FAシステムの開発に向けて、両社のノウハウ、資源、技術を持ち寄り、多くの企業の工場運営におけるIoTのメリットを享受できるようになる」とし、三菱電機の役員理事・FAシステム事業本部山本雅之副事業本部長は、「両社のIoTを活用したこのプロジェクトは、半導体製造ラインで発生したデータの収集・分析を進めることで、生産性向上のみならず省エネを推進し、より豊かな社会実現にも貢献する。IoTを活用したビッグデータ解析によって予防保全と生産性向上が図られる」としている。
なお、15日から東京ビッグサイトで開催される「IoTジャパン2014」のインテルブースで、共同ソリューションのライブ・デモを披露する。