富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町12―5、TEL03―3664―5811、清口正夫社長)は、「インフラ・設備機器保全マネジメント関連市場の現状と将来展望2014」の調査報告書をまとめた。
報告書は「公共構造物」「電力インフラ」「生活・都市インフラ」「エネルギー供給・産業インフラ」「ビル・商業施設関連設備」の5分野が対象。マンパワーによる点検市場の現状を踏まえ、センサやカメラなどを用いた常時監視システム導入の可能性を検討し、今後の市場予測を行っている。
公共構造物分野は高速道路と橋梁の規模が大きい。13年は約2000億円規模だが、トンネルと橋梁は5年に1度の点検が義務付けられたことで、今後、人による定期点検の需要が増加するとみられる。また、構造物の老朽化が広く認知されてきており、老朽インフラの増加や熟練点検作業者の減少などから、常時監視の市場拡大が期待される。
長野計器なども、この分野では光ファイバを用いたセンシング技術を応用し、橋脚の健全度診断などに応用可能なシステムを開発している。
電力インフラ分野の市場は現状8割程度を火力発電設備が占めているが、風力発電設備、太陽光発電設備の今後の拡大が期待され、オムロン、コンテックなどの産業機器メーカーも多数参入している。30年には電力インフラ分野の保全マネジメント市場全体では1兆円を超える規模になると予測。生活・都市インフラ分野は5割以上が鉄道車両向けだが、検査装置の進歩による検査時間の短縮や修理の効率化、車両数の減少により縮小するとみられる。
エネルギー供給・産業インフラ分野では、EV充電スタンド、FCV水素スタンドの保全管理をはじめとする需要が拡大するとみられ、ビル・商業施設関連設備分野では、空調設備をはじめとしたエネルギー計測提案などが進みそうだ。
富士経済はHP(https://fuji-keizai.co.jp/)で概要を公開している。