オムロンは、セーフティライトカーテン「形F3SG―R」を、10月1日から発売した。価格は8万円から。
ライトカーテンは、人体保護を目的とする安全対策用のセンサで、人や製品の通過を光線により検出する。エリアセンサとは異なり、第三者の認定機関からの認証が必要で、新製品は日本のほか、中国の国家規格である「GB4584」をはじめ、各国の安全規格を高い次元でクリアしている。
また、筺体の構造を大きく改良し、耐衝撃・耐振動性能を高めつつ、筺体材料最薄部の厚みを従来品の3ミリから2・5ミリにスリム化した。これにより断面積を従来比約60%まで削減し、省スペース化を実現している。
さらに設備の停止(チョコ停)回数を削減するために、製造物の通過と人の侵入を区別できるミューティング機能を搭載した。一般的にはライトカーテンの両側にミューティング用の光電センサを複数設置し、検出タイミングを考慮していることがチョコ停の要因の一つになっていた。
新製品ではより高い安全性と生産性を維持するために、ライトカーテン本体にミューティング状態を記録し、後からその内容を分析し最適な設定ができる専用ソフトウェアを提供することで、トライ&エラーを減らし、設置に必要な調整時間を同社従来比80%削減できる。
同時に、ワークが通過する高さ範囲だけをミューティングエリアとし、それ以上のエリアは人の侵入監視を継続するダイナミックパーシャルミューティング機能も搭載(特許出願中)した。ワークの通過ごとにその高さを自動測定し、ミューティングエリアを自動設定するため、高さが変動するパレット搬送工程などで生産性と安全性の両立を実現。
その他、ケーブルコネクタ部に丸型防水のM12コネクタ「スマートクリックコネクタ」を採用し、わずか8分の1回転で安全かつ簡単な接続が可能などの特徴を持つ。
今回の新製品は、グローバルモデルとして位置付けし、生産を世界4拠点(日本、中国、アメリカ、ヨーロッパ)で2015年度から順次開始する予定で、納期を含め、グローバルな供給体制を確立する。サポート面も8言語に対応した「トラブルシューティングWEB」を順次公開し、現場での復旧にかかる時間短縮を進める。
機種は、光軸ピッチ10ミリ(最小検出物体φ14ミリ)タイプで検出幅160~2080ミリ、光軸ピッチ20ミリ(最小検出物体φ30ミリ)タイプで検出