横河電機は、工業用チャートレコーダ「μR10000/μR20000シリーズ」に、SDカードによる電子データ記録機能を追加したハイブリッドの「μR10000/μR20000シリーズ」を開発、2015年2月中旬から販売を開始する。価格は、μR10000が26万3000円から、μR20000が28万9000円から。SDカードは3万円。15年度2000台を販売予定。
新製品は、SDカードスロットの搭載で記録紙と電子媒体の双方での記録を可能にしたハイブリッドの記録計。紙詰まりやインクトラブルなどによって記録紙のデータが欠落した際のバックアップが可能になる。
SDカードは、最大32GBを使用でき、長時間の記録が可能なため、必要に応じて電子データと紙での記録を選択できる。また、入力レンジやアラーム設定などの本体の設定をSDカードに保存し、機器の交換時や増設時に再利用することが可能。
主な市場と用途は、鉄鋼、石油化学、化学、紙パルプ、食品、薬品、上下水道、電気・電子をはじめとする幅広い産業の生産現場などでの温度、電圧、電流、流量、圧力などのデータの収集・表示・記録。
近年、電子媒体にデータを記録するペーパーレスレコーダが主流になりつつあるが中国、韓国、日本などにおいては記録紙にデータを記録するチャートレコーダ需要も根強い。同社は1950年代に日本で初の記録計を発売、80年代には世界で初めてマイクロプロセッサを搭載した多点記録計を発売しており、記録計市場で世界トップクラスのシェアを誇る。