村田製作所と横河電機は、プラントや生産工場で使用される無線フィールド機器に搭載する通信モジュールについて、横河電機の技術およびライセンス供与により村田製作所が開発を行っていくことで合意した。
この提携により、両社の技術を融合し、無線フィールド機器メーカー、センサメーカーに対して、グローバルに提供できる新たな通信モジュールを早期に開発することを目指す。
今回の提携により「ISA100 Wireless」規格準拠機器開発の加速が期待される。同規格はISA(国際計測制御学会)が定める工業用無線ネットワークの標準規格(規格番号‥ISA100・11a)。高い信頼性、アプリケーションの多様性、ネットワークの拡張性、有線通信規格(HART、PROFIBUS、FOUNDATIONフィールドバスなど)との高い整合性を持っており、2014年9月にIEC(国際電気標準会議)で承認され、年内に発効される予定。
現状、プラントでは生産性向上や、安全対策として「IoT(Internet of Things)」「見える化」などに代表されるデータ収集・監視に対するニーズが高まっている。
プラントでの主なデータ収集・監視対象は、温度、圧力、液面レベル、ガス濃度、振動などの測定データ。無線システムは従来の有線システムと比較し、施設コストの削減、配線の容易さで大きなメリットがある。無線機器が普及することにより、「IoT」ソリューションがプラント、生産工場へ広がることが見込まれる。
村田製作所は工業市場のユーザー要求を反映した無線通信モジュールを開発することで、同社の主力製品であるモバイル機器や自動車向けにとどまらず、プラントで使用されるフィールド無線モジュールビジネスの拡大を図る。横河電機は「ISA100 Wireless」に準拠したフィールド無線システムの普及促進を図る。