横河電機は、プラントなどの製造現場で使用される各種機器の調整・設定・管理ソフトウェア「FieldMate(フィールドメイト)」の機能をバージョンアップした「R3・01」を17日から発売した。価格は18万円から。2015年度3000本の販売を計画。
新バージョンでは、プラントに設置されている多数の機器の設定情報を、テキストメモ、写真、動画、音声、ドキュメントの情報を付加できる機能を追加した。これにより、個々の機器についての覚え書きや作業内容の引き継ぎ事項をメモに残したり、現場の設置状況や作業手順、異常な音を記録したりすることが可能で、一元的に管理できる。
また、あらかじめユーザーが設定した任意のレポートフォーマットに、機器の設定情報を自動的に出力することができ、機器レポート作成の工数を大幅に削減することが可能。
従来は、機器の設定情報についてのレポートを作成する際、テキストやHTMLでデータを出力し、それを汎用の表計算ソフトや文書作成ソフトに転記してレポートを作成していた。機器の設定情報の項目は、1機器あたり数百から1000にも及ぶため、必要な情報を抽出してレポートを作成する作業は大変煩雑で時間がかかっていた。
プラントの中央監視制御システムと現場のフィールド機器や分析計などを結ぶフィールド通信で、デジタル通信規格の採用が広がっている。デジタル通信規格にはいくつかの方式があり、プラントでは、複数メーカーの機器が混在し、通信規格が統一されていない場合が多く、機器メーカや通信規格の違いに関係なく、機器の調整・設定・管理を行える機器設定ソフトウェアが必要とされている。
「FieldMate」は、このような要求に応えるソフトウェアで、Windows7、およびWindows8・1が搭載されたPC(タブレットタイプも可)上で動作し、様々なメーカやデジタル通信規格の機器の調整・設定・管理を行える。