長野計器は「テクニカルフェア2014」を、長野県上田市の上田計測器工場と丸子電子機器工場、及び上田東急インで10月23日開催した。
同フェアは、同社の取り組みや技術を「工場視察」「技術説明会」「記念講演会」を通じて関係者に知ってもらおうというもので、テーマは「環境・保安・安全」。当日は、ユーザー、協力会社、報道関係など約300人が出席し、最新の技術情報を披露した。
同社は、圧力計や圧力センサを主力に、自動車メーカー向け車載センサや、燃料電池車用水素ステーション機器などで注目されている。
工場見学では通常、社外秘の製造ラインが特別に公開された。量産品は製造・組立ラインの自動化を徹底し、コスト削減と品質アップを両立。作業指示は全てオンラインで共有され、検査項目と検査結果が1個流しでも照合できるようにすることで品質を担保している。カスタマイズが必要な製品や自動化が難しい複雑な製品は、半田付け技能認定に合格した技術者が半田付け作業を担当するなど、高い信頼性を保つ仕組みを確立している。また、業界トップクラスの測定能力を備えた校正設備を工場内に備え、5Pa~500MPaという広範囲な校正サービスを提供していることも公開された。
技術説明会は、「光ファイバセンサとインフラ維持管理のためのモニタリング技術」「安全と信頼を提供する圧力計測」「圧力計測の信頼性を担保する計量標準」「安心・安全を届けるELMOSの展開と、長野計器とのコラボレーション」の4テーマで発表が行われた。
特に包括的業務提携を締結している独・エルモス社との協業内容が注目を集めた。同社は車載用半導体で高いシェアを誇り、MEMS技術に強みを持つ米・SMI社を傘下に持つ。長野計器を含めた3社の技術を融合することで、今後大きく伸びることが見込まれている「タイヤ空気圧監視」に対するソリューションなど、今後の期待技術が紹介された。
記念講演会は、石油天然ガス・金属鉱物資源機構本部付特命審議役の多田裕一氏が「米国における非在来型資源(シェールガス・オイル)開発と我が国への影響」と題して行い、製造業の死活問題となっている日本を取り巻くエネルギー事情を紹介、資源輸入国である日本のエネルギー事情について解説した。