電気制御機器や電子部品の配送の効率化と配送伝票の削減などを目指した共同配送のトライアルが東京・秋葉原で進められている。電子部品・制御機器商社の配送を効率化することで、配送コストと人員の削減を図り、営業面の強化などを目指している。
東京都電機卸商業協同組合(TEP、堀内覚理事長)教育情報委員会(屋宮芳高委員長)が中心となり、日本の電気街である秋葉原地区の商社11社が参加して「外神田1~6丁目エリア限定配送サービス」に取り組んでいる。
秋葉原は家電やパソコン専門店以上に、電子部品や電気制御機器、計測機器、配線接続機器などの商社が立地している。ユーザー購買に加え、商社間同士で、それぞれが得意とするメーカーや製品を相互に供給し合う取引も多く、秋葉原に来れば何でもそろうという評判にもつながっている。
しかし、これを配送面でみると、各商社が近距離の中で、1対1でお互いに必要な商品を受発注し、ピッキング、梱包、配送している。しかも朝、昼、夕方と1日3回前後配送しているケースもある。秋葉原という限定された地域とはいえ、こうした配送体制は、配送人員、ピッキング作業、伝票枚数、燃料費などの負担増にもなっている(図1)。そこでTEPでは、秋葉原の外神田1~6丁目地区限定ながら、効率的な配送を目指した実験を行った。
8月6~8日の3日間、ヤマト運輸の協力を得て、ヤマトの宅急便サテライトセンターに各商社の荷物を集約させて、協同配送にトライアル。
各商社はサテライトセンター1カ所に荷物を配送するだけで、そこからは商社ごとにまとめた荷物を配送するため、1回で各商社の必要な製品が配送されることになる(図2)。これによって、配送人員の負担が軽減され、伝票の枚数も減らせる。コストの低減だけでなく、人員の最適配置にもつながってくる。
現在、この試験結果を基に、ヤマト運輸で配送コストの算出や課題などの検討を加えており、さらなるヒアリングなども行って、本格実施に向けた段取りを進めていく。
流通商社は配送コストの削減や人員の最適配置などで、さらなる効率経営を進めるとともに、環境面にも配慮した取り組みを行おうとしている。
一方で、通信販売が電子部品や制御機器などのBtoB領域でも利用が増えつつある。商社として、営業面や技術面での存在をアピールしていく上からも、これに専念できる体制確立を目指すことにもつなげようとしている。