【バンコク週報特約】タイ賃貸工場最大手、タイコン・インダストリアル・コネクション(TICON)社は10月31日、不動産投資信託を運用するタイコン・マネジメント社(TMAN)の発行済み株式の3割を、三井物産の海外拠点の一つであるアジア・大洋州三井物産に売却した。
ティラパン・プンケートTICON社長は、三井物産の出資を歓迎。TICONグループの事業競争力が世界レベルに引き上げられるとともに、TMANの主力商品である物流・産業用施設を運用対象とするREITの国際展開を大きく後押しするとの見方を示す。
同社長は、特に2015年末に経済共同体発足が予定されているASEAN各国への投資に意欲を示した。
三井物産側は、物流施設に特化したREITを日本で最初に手がけるなど、この分野で一日の長がある。
REITおよび物流産業で長年培ってきたノウハウを投入しTMANの事業開発を支援。さらに、TICONグループと三井のネットワークを結び付けることで、アジア事業の拡大を図っていく。
TMANは昨年5月、TICONの子会社として設立。同年8月にタイ証券取引委員会(SEC)から上場の承認を受けた。
これにより、同社はタイで産業用不動産を運用対象とする初の不動産投資法人となった。
現在、TMANでは、TICONグループの不動産および不動産レンタル権を運用対象とするREIT(TREIT)の上場許可をSECに求めており、認可された場合にはまずTICON所有の賃貸工場20カ所、およびTICONの子会社であるTPARKが開発・運営する賃貸倉庫25カ所を運用対象とする方針である。投資規模は40億から50億バーツとなる見通しだ。
TICONによると、11月中にTREITの新規公開株(IPO)を発行する見通しとなっている。