イグス(東京都墨田区錦糸1―2―1、TEL03―5819―2030、北川邦彦社長)は、RoHS規制改正を受け樹脂ベアリングの販売を強化する。
電気、電子機器において環境有害物質を制限する「RoHS規制」が今年7月22日に改正され、以前は例外項目として適用外だった医療機器や制御機器が適用範囲に含まれた。通常、駆動部がある機器にはベアリングが欠かせないが、現状は金属製のものが多く、そのほとんどが有害物質とされる合金を含んでいる。
同社の樹脂ベアリングは、無潤滑で耐摩耗性を備え、固形潤滑剤こそ含んでいるものの、RoHS規制の対象となるような金属は一切含んでいない。今後、金属製ベアリングから、樹脂製ベアリングへの置き換えが進むと見込まれている。
実際に、アグリメント社の「非金属製車椅子」に採用され、耐久性と寿命の基準をクリアしたイグス製の樹脂製ベアリング「イグリデュール」と、高品質ポリマー製ボールベアリング「クシロス」に利用されている。
この車椅子は医療業界や空港で注目をされている。これまでは、自立歩行が困難な人が病院でMRI検査を受けようとすると、強い磁気を発する検査室内には車椅子で入ることができず移動が困難だった。この非金属製車椅子を導入すれば、患者は検査機のすぐ横まで車椅子で行くことができる。
また、空港の保安検査場でも非金属製車椅子であれば、車椅子から降りることなく金属探知のチェックを通過することが可能になる。
同社は今後、医療機器のみならず、制御機器への樹脂ベアリング販売を強化していく。