「計測展2014 OSAKA」(主催=日本電気計測器工業会)が、11月19~21日までの3日間、グランキューブ大阪で開催された。開場時間は午前10時~午後5時。入場料は1000円(事前登録者、招待状持参者、学生は無料)。期間中9740人が来場した。
産業オートメーション、セキュリティ、エネルギー効率、環境モニタリング、交通・ロジスティクス、情報通信など、ビッグデータ時代を迎えて物理現象を数値データに変換する計測・制御技術の役割は益々重要になっている。
計測展2014 OSAKAは、「計測と制御で創る未来の地球」をメインテーマに、「未来が、動きだす。」のメッセージのもと開く。
これまでのように情報通信端末だけでなく、あらゆるモノに通信機能を持たせるIoT(モノのインターネット)の実現が進められている。あらゆるモノがインターネットに接続され、相互に通信することが可能になり、モノのレベルで遠隔計測や自動制御が行われるようになる。それにより、たとえば渋滞情報をリアルタイムで集約・フィードバックし、渋滞解消を図る交通インフラ、工場や家庭のデマンド監視、及びエネルギーマネジメント、部品の状態を検知して故障状況や交換の要否をメーカーが把握するリモートメンテナンスやセーフティなどの革新が、あらゆる産業や社会インフラで実現が目指されている。
計測展2014 OSAKAには、産業や社会インフラを支える最新の計測・制御技術が集した。
出展者数と小間数は58社・団体140小間と、前回の計測展2012 OSAKAとほぼ同規模となっている。
出展製品は、電気測定器、FA用計測制御機器、PA用計測制御機器、指示計器、電力需給計器、電子応用計測器、環境計測器、放射線計測器、存在検知センサ、FAインテリジェントセンサ、表示監視機器、アクチュエータ、プログラマブルコントローラ、FAシステム機器、電源機器、グラフィック表示器、計測・制御ソフトウェア/ソリューション、省エネ・新エネ関連機器/ソリューション、安全制御機器/ソリューション、監視・保全システム、情報伝達装置・周辺装置など。
また、計測展2014 OSAKAでは「日本の国際競争力とものづくり」「パワーエレクトロニクスが拓く未来」「スマートワイヤレスの未来」「Industry4・0時代へ」の4つのテーマで多数の講演、カンファレンス、テーマ展示が行われた。
講演は、前回の2倍以上の34のプログラムが45人の講師によって開かれた。
「日本の国際競争力とものづくり」では、ものづくりはどのように変化し、日本はいかに国際競争力を獲得するべきなのか。ものづくりのオーソリティを招き探った。
「パワーエレクトロニクスが拓く未来」では、次世代自動車の動力でも注目されるパワー半導体SiC・半導体動力変換の最新技術動向などを中心に、グリーンイノベーションの未来に触れた。
「スマートワイヤレスの未来」では、IoTに欠かせないスマートワイヤレスはどのような未来を描くのか。今注目される無線通信規格Wi―SUNの応用例を軸にたどった。
■国際標準化の動向を紹介
そして、最も注目されている「Industry4・0時代へ」では、IoTで変革する未来をいち早く国策に採り入れたドイツが提唱する第4次産業革命を国際標準化の議論をリードするIEC TC65議長らを招いて紹介することになっている。このIECフォーラムでは、「Industry4・0」のほか、「エネルギー効率」「安全とセキュリティ」「計測・制御機器のプロパティ」の国際標準化の最新動向を紹介。
■11のテーマ展示も
テーマ展示には、計測・制御関連企業など5社8枠が出展し、11テーマで行われた。
楽しく理解を深める「JEMIMA STATION」も設けられている。展示会場(3Fイベントホール)中心に設置したステージから、来場者が展示会をより深く理解しながら歩くことができるためのホットな話題を提供。キャスターと解説員が専門家でなくても理解ができるように、平易に元気で楽しいトークショーを繰り広げられた。
さらにスマートプレゼンテーションでは、ここでしか聞けない「目からうろこ」の話題を分かりやすくスマートに解説。テーマは、「いまさら聞けないIndustry4・0、IoT、M2M」「エネルギー効率化~次の一手はこうアプローチする~」「水循環システム~企業連携ナウ~」「産学連携を経営に活かす」。そのほか、連日テクニカルセミナーも開かれた。