組込みシステム技術協会(JASA、簗田稔会長)は、ロボットおよび組込みシステム向けのハードウェア抽象化レイヤーの国際標準化を目指し、OMG(Object Management Group‥ソフトウェアに関する国際的な標準化団体)がロボットおよび組込システム向けのハードウェア抽象化レイヤーの国際標準化を進めるために行った標準公募に対し10日、OpenEL(Open Embedded Library)を国際規格とする提案を行った。
現在、ロボットおよび組込みシステムにおいてモータを制御したり、センサの出力を得るためには、開発者が独自にAPI(Application Programming Interface‥ソフトウェアが互いにやりとりするのに使用するインタフェースの仕様)を定義したり、ベンダーやデバイスごとに異なっているAPIを使用してソフトウェアを開発する必要がある。
このため、ソフトウェアの開発効率が課題になっている。
JASAでは、2011年からベンダーやデバイスごとに異なっているAPI仕様の標準化に着手し、JASA技術本部プラットフォーム研究会(中村憲一委員長)が中心となってOpenELという組込みシステムのためのオープンなライブラリの仕様策定作業を進めている。
OpenELは、主にロボットや制御システムを対象とし、モータ制御やセンサなどのデバイスの入出力に特化した標準API仕様を定義している。
OpenELというハードウェア抽象化レイヤーを設けることによって、初心者では難しかったモータ制御が、誰でも簡単に出来るようになり、開発後にデバイスが変更されてもソフトウェアの変更は不要となることを実現している。
JASAは、サービスロボット大国日本の実現に向け、OpenELの国際規格や技術認証を国際標準として提案している。
今年12月にOMGにOpenEL仕様を提出し、提案レビューおよび必要に応じ変更提案などを行った後、早ければ15年6月での国際規格化を目指す。