日本ロボット工業会は、2014年7~9月期のロボットの受注・生産・出荷実績を公表した。
受注台数は、前年同期比で17・6%増の3万3140台となり、6四半期連続でプラス成長となった。また、受注額では、同20・6%増の1239億円と、5四半期連続でプラスとなった。
生産台数は、前年同期比で25・1%増の3万3342台となり、5四半期連続で伸長。生産額も同28・2%増の1352億円と、4四半期連続で増加した。
今年は世界景気の回復と国内の設備投資促進税制の施行により、設備投資の活性化が見込まれることから、昨年を上回る見通し。
自動車産業向けは、過去数年と比べても高い水準にある。また、電気機械産業向けは昨年を上回る勢いにある。なお、両業種ともに海外需要がメインとなっている。
海外市場で見ると、米国向けは堅調に伸び、欧州向けはドイツを中心に回復している。中国向けは前年同期を上回っている。この3地域すべてにおいて昨年を上回ることがほぼ確定的。
昨年は設備投資に慎重であった自動車産業も、今年は投資が堅調に推移しており、溶接用が伸びているほかに、塗装用も今期はスポット需要があった。
電子・電気機械産業向けは、電子部品実装用が好調であったが、前期まで好調であった半導体用(ウェハ搬送など)や一般組立用は前年同期並みとなり、需要が落ち着いた状況となった。
溶接用は欧米、アジアともに伸長した。
電機向けの主要用途である電子部品実装用は、主要輸出先である中国向けの需要増加が前年同期を大きく上回る要因となった。
輸出は、米国景気の好調と欧州経済の回復を背景に、先行きへの期待感が高い。
同工業会がまとめている「世界の産業用ロボット稼働台数(マニピュレーティングロボットのみ)」によると、2000年時点では全世界で稼働している産業用ロボットの半数を超える51・9%が日本で稼働していた。
ところが、13年末時点での日本のシェアは約22・8%と海外でのロボット導入が急速に進んでいる。とはいえ、国別でみると台数ベースでは13年末時点で日本の約30・4万台がトップ、次いでアメリカの18・2万台、ドイツの16・7万台と続いており、日本がロボット生産大国であると同時に、ロボット活用大国であることに変わりはない。各ロボットメーカーのさらなる飛躍が期待される。