横河電機 統合生産制御システムの機能を大幅拡張 “理想の工場”実現への第一段階

横河電機は、統合生産制御システム「CENTUM VP(センタム・ブイピー)」の機能を大幅に拡張した「CENTUM VP R6・01」を開発、2015年2月から販売を開始する。価格は400万円から(最小システム構成の場合)で、15年度1200システムの販売を計画。

新製品は同社が進めている制御事業のビジョン「VigilantPlant(ビジラントプラント)=理想の工場」の実現に向けて中核となるCENTUM VPの第一段階となる。

新CENTUM VPは、プラントの設計から、エンジニアリング、システム・機器の据え付け、生産立ち上げ、さらには稼働後の改修や変更を経て運転を終了するまで、プラントのライフサイクルにわたり最適な操作・エンジニアリング環境をユーザーに提供する制御システム。これを皮切りに提供していく「R6」では、「スマートエンジニアリング(効率的なエンジニアリング)」「アドバンストオペレーション(高度な操業)」「システムアジリティ(システムの機敏性)」「サスティナブルプラント(持続可能なプラント)」の実現を目指す。

R6・01では、新開発のフィールドIO装置「N―IO(Network―IO)」で、多様な入出力信号に対応できるモジュールを用意。このモジュール1つで16点までの入出力が可能で、点ごとに信号の種類を設定できる。入出力信号の多くを占めるアナログ信号やデジタル信号についてはソフトウェアの設定のみで対応でき、パルス、リレーなどの信号には変換アダプタの追加で使える。これにより、エンジニアリング中のセンサの種類や配置の変更、プラントの改造に伴うセンサの変更などの際に、入出力モジュールを交換したり膨大な配線を変更したりする必要がなくなり、作業量低減と工期短縮に大きく貢献する。

また今回、防爆対応機器で豊富な実績をもつペッパール・アンド・フックス社(P&F)とMTLインスツルメンツ社(MTL)の両社のIOモジュール用ベースプレートの供給を受け、横河ブランドで販売するOEM供給契約を締結した。これにより、欧米やアジアの主要な本質安全防爆に対応した「N―IO」を提供することができる。

さらに、フィールド機器とフィールドIO装置の設置と接続を終えた段階で確認と設定変更の作業を行える、N―IOループ確認・設定ソフトウェア「FieldMate Validator(フィールドメイト・バリデーター)」も完備している。これを用いることで、フィールドIO装置「N―IO」のみを先に納入して、制御ソフトウェアで設定された各制御ループの入出力端子情報と結びつけてフィールド機器の設定・動作の確認をすることが可能になり、工期の短縮に貢献する。

そのほか、エンジニアリングの支援ツールとして、熱交換器やフィルター装置など、現場で多く使われる設備ごとにプログラムのテンプレートを用意しており、エンジニアリング作業の効率化とエンジニアリング品質の均一化を実現できる。

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