PLC(プログラマブルロジックコントローラ)、サーボモータなどの産業用汎用電気機器の2014年出荷が前年同期比2桁の伸長で推移している。重電機器全体でも102.4%と、年度当初の前年同期割れ見通しを6.7ポイント上回り、プラスに転じている。
日本電機工業会(JEMA、中西宏明会長)がまとめた2014年度上期の電気機器の状況によると、重電機器、白物家電機器を合わせた電気機器の2014年上期生産実績は2兆7231億円、前年同期比101・7%となり、前年実績並びに、3月に発表した見通し値を上回った。
重電機器の生産は1兆8148億円(前年同期比102・4%)、白物家電の生産実績が9083億円(前年同期比100・4%)と、いずれも前年実績、3月に発表した見通しを上回っている。
重電機器を機器別に見ると、発電用原動機は、ボイラが国内、輸出ともに増加したものの、蒸気タービン、ガスタービンが輸出向けに一時的な減少があり、大幅な減少となった。なお、手持ち受注は維持していることから、国内、海外向けともに中長期的には堅調に推移する見通し。
モータなどの回転電機機械は半導体製造装置などの需要増に支えられ、サーボモータが国内、輸出ともに好調、静止電機機械器具については、メガソーラー向けの需要増などにより、電力変換装置、トップランナー変圧器が好調。
開閉制御機器ではPLCなどが、国内の更新需要を中心とした設備投資の増加を背景に好調に推移し、輸出向けも堅調だった。
このうち、産業用汎用電気機器(モータ、インバータ、PLCなど)の今年4~10月までの出荷実績は、前年比112・4%となり、更新需要を中心とした設備投資の回復を背景に国内が増加していることに加え、輸出も堅調なことから全体として好調を維持。
3相誘導電動機も、来年4月からのトップランナーモータへの切り替えもあり、120・4%と増加傾向を示しており、サーボモータも工作機械や半導体製造装置向けなどを中心に国内、輸出とも好調なことから121・4%と高い伸びとなっている。
中西会長は11月28日の記者会見で、政府に対する要望として「エネルギー・環境戦略の具体的な推進を実行してもらいたい」。産業界からのメッセージとして「消費増税延期でできた18カ月という時間をしっかりと成長のための時間として活用していきたい」「産業界がアベノミクスの第三の矢(成長戦略)をしっかり担っていきたい」と述べた。