横河電機は、プラントで使用されるデジタル入出力およびアナログ信号対応の有線機器に取り付けることで、「ISA100 Wireless」に準拠した無線機器として使用できるマルチファンクションアダプタを、1日から販売開始した。価格は標準型で26万円から。販売目標は、2015年度2000台、16年度5000台。
新製品は、プラントで使用されるFOUNDATIONTMフィールドバス、HART、Modbus、PROFIBUSなどの有線フィールド通信規格のほかに、オン/オフのみを伝達するデジタル信号、4~20mAのアナログ信号など、これらのデジタル信号やアナログ信号が使われている有線機器に取り付けて、ISA100 Wirelessに準拠した機器として使用できるようにするもの。これにより、フィールド無線システムを構築できる機器が増え、無線システムの用途拡大につながる。
また、機器のオン/オフの入力が行えるデジタル入力2チャネル、オン/オフの出力が行えるデジタル出力1チャネル、4~20mAで伝送器の測定値を受け取るアナログ入力1チャネルを備えており、リミットスイッチのオン/オフ状態の監視、電磁弁への開閉指示、アナログ出力の伝送器で測定したデータの上位システムへの伝送などを、無線で行うことが可能。
さらに、来年度中には防塵・防水に対応した屋外型や、引火性のガスがある場所で使用できる防爆型を発売する予定で、これによりプラントの様々な環境で使用することができるようになる。
フィールド無線システムは、プラントに設置されるフィールド機器や分析計などと、監視・制御システムなど上位のシステムとの間の通信を無線化するもので、配線が困難な場所にも設置でき、有線システムに比べ敷設コストを削減できる。マルチファンクションアダプタは、無線通信技術の普及を促進するものとして期待されている。