電気計測器の売り上げは3年連続の減少から2014年度は上昇に転じる。14年度は7・7%増の6004億円となり、その後も微増で推移し、4年後の18年度は6548億円と約500億円増加する見込み。また、海外拠点売り上げを合わせた18年度売り上げは9008億円と、07年のリーマンショック後では最大の売り上げになる見通しである。
■13年度は大幅減少
日本電気計測器工業会(JEMIMA、海堀周造会長)が5日発表した「電気計測器の中期見通し(14~18年度)」によると、13年度の電気計測器全体の売り上げは、5575億円(前年度比20・9%減)と大きく落ち込んだ。当初は同7・7%減を見込んでいたが、PA計測制御機器の官公需および電力分野における大幅な受注の減少や素材型産業における新規設備投資の減少などで想定以上に減少した。
14年度は、11年度以降の減少に歯止めがかかり、6000億円台を回復する。20年の東京オリンピック開催に向けたインフラ整備などの立ち上がり、および良好な企業景況感と設備投資意欲の増加などを見込めるのが大きな要因。
■電気測定器6.4%増
製品別でも、売上額の大きい電気測定器が6・4%増の2116億円、PA計測制御機器が6・6%増の2813億円と堅調に拡大するほか、金額は少ないものの電力計が42・9%増の456億円と大幅に増加するなど、堅調な伸びを示す。
電気測定器(一般測定器)は、東京オリンピック向けの需要立ち上がりで、LTE―Advanced・5Gをはじめ、サーバー・データセンター、省エネ/新エネとEMS・スマートグリッド、燃料電池車(FVC)など次世代自動車、2次電池、ウェラブル端末などがプラス要因として働く。これに対してマイナス要因は、SIMフリー制度導入による携帯端末需要の減少に伴う移動体通信用測定器市場の鈍化を懸念。
電気測定器(半導体・IC測定器)は、スマートフォン・タブレット需要の増加、海外市場の成長がプラス要因で、パソコン需要の低迷、半導体の市場価格低下がマイナス要因と見ている。
PA計測制御機器は、新規および老朽化設備の更新や、東南アジアでのインフラやプラント設備投資が牽引する。
■電力計も大幅増加
さらに、電力計は電力会社のスマートメーター導入や低圧計器取換需要の増加などがプラスになり、その後も継続した大幅な需要増加の見通しを立てている。
なお、海外拠点の売り上げを含む「国内販売+輸出+海外拠点売り上げ」ベースの電気計測器の全体額は、13年度が同13・9%減の7722億円と見込みを約540億円下回った。
14年度は、国内市場で売り上げ増加に加え、海外におけるエネルギープラント需要や東南アジアの設備投資などで同6・6%増の8234億円を見込んでいる。
年平均伸長率2.3%
15年度以降は世界的に堅調な景気回復を見込み、18年度までに年平均成長率2・3%で堅調に推移すると見ている。