横河電機は、差圧・圧力伝送器「DPharp(ディーピー・ハープ)シリーズ」の海外向けラインアップである「DPharp EJA―Eシリーズ」の低消費電力タイプ(1―5V HART出力)を国内向けで販売を開始した。欧州以外の地域では12月15日から、欧州では2015年を予定している。
15年度5000台、16年度1万台の販売を計画している。
新製品は、電力回路設計を見直したことで、27mW(消費電流0・96mA~3mA)と差圧・圧力伝送器として業界最高クラスの低消費電力を実現している。
また、「DPharpシリーズ」の特徴である、高い測定精度と長期に安定稼働する性能を踏襲しており、測定精度プラスマイナス0・055%、長期安定性プラスマイナス0・1%(7年間)と、一般的な低消費電力(1―5V出力)型差圧・圧力伝送器と比較して、業界最高クラスの性能を実現している。
さらに、通常、センサの調整・設定には専用器やPCを使用するが、これらを現場に持ち込まず、機器本体の設定用スイッチでも基本設定が行えるようにしている。
差圧・圧力伝送器は、石油、石油化学、化学などの各種プラントや油田・天然ガス田で液体、気体、蒸気などの圧力、流量、液位を測定するために使用される。世界的なエネルギー需要の高まりに伴い、石油・天然ガスの開発・生産が活況を呈しており、開発・生産技術の進歩で、電力・通信などのインフラ未整備な場所にも採掘エリアが拡大し、油田・ガス田に設置される開発・生産に必要な装置や機器には、太陽電池やバッテリーによる限られた電力供給で稼働できる性能が求められている。
同社は、中期経営計画「Evolution 2015」の制御事業戦略で、差圧・圧力伝送器をセンサ分野でグローバルNo.1シェア獲得を目指している。
そのため、市場の拡大が期待できる石油・天然ガスのアップストリーム工程を注力業種の一つに掲げている。