一般社団法人日本電気制御機器工業会 「次世代事業の推進力に注力」 長崎春樹会長

2015年(平成27年)の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

さて、最近の経済情勢を顧みますと、安倍政権発足以来の金融政策と財政政策により為替や株価に効果があらわれてきた他、第3の矢である日本再興戦略の目玉である産業競争力強化法が12月に成立するなど、経済政策が順調に拡大するなか日本が元気になってきたことを実感できる一年でした。

国内では、緊急経済対策等の効果が顕著であり、輸出も円安効果によって、日本の製造業復活が顕著となる状況が続きました。更に、民間設備投資の先行指標である内閣府発表の機械受注統計を見ましても、リーマン・ショック以降、08年7月を底に右肩上がりの高水準を維持しており、今後の景気の底堅さにも期待できます。

このような中、14年度の日本電気制御機器工業会(NECA)の出荷額は6850億円(同106・9%)を見込んでいます。この数字は、07年度の6682億円を上回る過去最高の予測です。これは輸出における為替レートの変動を加味しても過去最高の水準となっており、業界は順調に回復してきております。

NECAでは、昨年の14年に設立50周年を迎えました。今年は新生NECAを目指し、「次世代事業」と「第4次産業革命(インダストリー4・0)」対応の両面から新たな取り組みにチャレンジしていきます。

まず「次世代事業」ですが、NECAでは、政府成長戦略の重点分野である「医療福祉」と「スマート農業」の2分野で新たな活動を展開しており、将来的には重点事業の柱としていく方針です。

具体的な取り組みですが、医療分野では昨年10月末に医療分野参入展示会として歴史ある「メディカルクリエーションふくしま」にNECAブースを設け、制御機器の医療分野への展開促進を図りました。今後は展示事業を更に拡大強化すると共に、医療福祉分野での制御機器利用ガイドライン策定等の事業展開も行っていく考えです。

また、スマート農業分野は今年2月にEUインスティテュートと東京/大阪で共催する国際シンポジウムのテーマとして取り上げ、欧州の講師からも最新情報を頂く予定にしております他、今後は農業分野での展示会への出展等を含め、更に具体的な取り組みを目指していきます。

「第4次産業革命」への取り組みにつきましては、各種の情報収集からスタートしますが、従来から実施してきている「スマート工場」関連事業の拡大や3S関連事業の充実といった側面から取り組む考えです。

今年12月開催の「システムコントロールフェア(SCF)2015」のテーマも第4次産業革命の新たな動向に着目し「技術がつながる、未来が拓ける、ものづくりイノベーション」として、次世代ものづくりをご提案する産業展にしていきたいと考えています。

「NECA将来ビジョン2011~2020」の実現にも、引き続き努めてまいります。

ビジョン指摘の重点事項でみますと、(1)「対象品目の拡大」については、「次世代事業」の「医療機器」等に関連する品目の分析を行うと共に、これらの分野を軸とする将来的な品目拡大に取り組みます。

また、第4次産業革命の動向を注視しつつ、新たなものづくり分野での品目拡大にも取り組んでいきます。

(2)「対象領域の拡大」については、第4次産業革命対応の「スマート工場」への取り組み強化や制御機器システムへ関連事業の拡大を行います。具体的には、サイバー攻撃のセキュリティ対策として、関連団体との連携の下、制御システムをより安心・安全に構築・運用するための指針を策定し、製品での差別化による需要拡大を図ってまいります。

(3)「対象地域の拡大」につきましては、安全資格制度のグローバル展開に積極的に取り組みます。

NECAが実施しております「セーフティ・アセッサ制度」は、昨年4月の厚生労働省通達に明記され、機械安全に関する教育カリキュラムとして公的に認知されております。

今後は、同制度をベースに国際規格提案を行うなど安全資格制度のグローバル展開を行ってまいります。特に、タイにおきましては、一昨年よりODA事業でセーフティ・アセッサ資格制度の同国内での実施協力を行っており、今後タイを中心にアジアへの制度の定着も図っていく考えです。

以上述べましたように、NECAでは従来からの3S(安全、標準、環境)に加え、新たな事業展開にも積極的に取り組み、第4次産業革命時代においても引き続きサポーティングインダストリーとして、製造業の永続的な発展と我が国産業/社会のさらなる発展に貢献していく所存でございますので、関係各位の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げま
す。

最後になりましたが、今年が皆様にとって、また日本の産業界においても素晴らしい一年となりますことを祈念しまして、年頭のご挨拶といたします。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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