当社は2010年に持続的成長を目指すプロジェクトを開始し、10年後に売り上げ100億円を目指す長期経営計画「ビジョン100」を策定した。その過程として、昨年は東証1部上場を果たすことができた。
注力分野としては、電力関連を中心とした「重電機器市場」、鉄道関連機器を中心とした「一般産業市場」および「海外市場」の3つを掲げており、それぞれの分野で着実に結果が出始めている。重電機器市場においては、火力発電所関連の投資をはじめ、太陽光、地熱、風力といった新エネルギー分野が好調だ。特に1000V対応の遮断端子台、発電量の確認や短絡事故の監視に使われるストリング監視ユニットが好調だった。太陽光発電市場については、ここ2~3年は堅調に推移するものと見ている。一般産業市場では、鉄道用スイッチ、ランプの海外向け受注が堅調だ。特に信頼性、安全性が求められる業界のため、当社の強みを活かすことができている。中国はもちろん、鉄道投資が活発になってきた米国ではニューヨーク、ワシントン、カリフォルニアなどの鉄道に採用され、新しいステップアップができたと考えている。新しい発想から生まれたアルミ端子台も、長期腐食検証による安全設計や、軽量という特徴が市場に受け入れられた。
海外市場も中近東を中心に全体を底上げし、将来的には海外の売上比率を半分程度まで持っていきたい。特に今年はミャンマー、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどの電力関連投資に期待している。
研究開発では昨年に引き続き、色弱の方でも判別できるようにオレンジ色にしたバリアフリー対応LEDランプ、LEDを用いた可視光通信技術、パワー半導体を用いた長寿命・高信頼性の開閉器などを開発していく。製造工程もセル生産ロボットの導入など、さらに自動化を推進し、効率化を図ることで利益率20%を目指したい。