日本製半導体製造装置とFPD(フラットパネル・ディスプレイ)製造装置の販売は、2015年度大幅に伸長する。半導体製造装置が14年度比5・4%増の1兆3635億円と3年連続、FPDが同15・8%増の3300億円と前年度マイナスからプラスに転じる。また、13年~16年までの年平均伸長率は2・6%となる。
日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、16年度までの日本製半導体製造装置とFPD製造装置の需要予測をまとめた。
半導体製造装置は、ファウンドリおよび大手ロジックメーカーが底堅い投資を続け、メモリーメーカーもDRAMの微細化やNANDの高集積化などから14、15年と高額の投資を継続することから、14年度が14・7%増の1兆2936億円と2桁の伸長を見せ、15年度も伸び率は鈍化するものの増加する。16年度は調整局面となり4・9%減の1兆2967億円となる。
FPD製造装置は、13年の高精細・中小型パネル用の大型投資の反動で、14年度はスマートフォンやタブレット向け高精細・中小型パネルの成長が続くものの価格低下、需要減速の懸念が現実化し18・2%の大幅減の2850億円となる。
15年度は、同様な傾向で大型パネルについては、最大のアプリケーションであるTV市場の成長が鈍化しパネル価格が低迷しているものの、テレビの4K化への期待の中で投資時期が見直されている中国での新規ラインが継続して計画されており15・8%増の3300億円と再び増加する。
しかし、16年度は投資過剰の反動を懸念し9・1%減の3000億円と1年ごとに増減を繰り返す。
IMFが昨年10月発表した14年の世界経済成長率は、7月予測から0・1ポイント下方修正の13年と同等の3・3%増と予測。15年は3・8%増、16年は4・0%増と緩やかに回復速度を増すと見込まれるが、ユーロ圏の経済回復の失速や新興国・地域の経済成長の鈍化など、”世界経済の回復は依然として脆弱でばらつきがある”と見られている。
電子機器市場は、スマートフォン、タブレット、超薄モバイルPCなどのモバイル機器が依然として成長のドライバーである。需要の中心が低価格でも高機能なものへと移行し、電子機器の金額成長率は鈍化の傾向がある。また、世界半導体市場統計(WSTS)の14年秋季予測では、14年の世界半導体市場は14年春季予測の6・5%増から9・0%増に上方修正し、特に、高価格を維持してきたメモリーは17・3%増と昨年の17・6%増に続く高い成長が予測されている。15年は3・4%増、16年は3・1%増と緩やかな成長が見込まれている。