日東工業は、大幅な低コスト化と家電機器ごとの見える化を実現する「新型HEMS分電盤」を開発した。3月から受注を開始し、6月から納入開始する予定。
新型HEMS分電盤は、インフォメティス(東京都港区)が開発した、分電盤の主幹に流れる電流だけを測定して各電気機器に流れる電流に分離する技術を採用している。
エネルギー分離デバイスで測定された電流データは、無線LANで家庭内のネットワークからインターネットでインフォメティスのクラウドサーバに送られ、各電気機器の電流に分離される仕組みになっている。
従来の機器分離技術に比べて、各電気機器の電流波形情報を事前に収集、登録する作業が不要で、自己学習型アルゴリズムにより、メーカーを問わず電気機器を自動で識別できる。
従来のHEMSホーム分電盤は、ブレーカー単位またはコンセント単位での電力計測を行うが、今回の製品では家電機器ごとに把握でき、より詳細な省エネが実施可能。
また、従来は計測器搭載分電盤のほかに、HEMSコントローラーなどの上位システムへの接続機器が必要だったが、今回は分電盤だけで宅内ネットワークに接続できる。
低価格化を実現しており、通常のホーム分電盤をHEMS対応にする場合、従来はプラス10~20万円が必要だったが、今回はプラス5万円程度に抑えている。
その他、(1)回路(分岐ブレーカー)ごとに電流センサーを配置する必要がなく、主幹に1組のみで良い(2)通常のホーム分電盤と同程度のサイズでHEMS化し、施工手順も通常分電盤とほぼ同じ(3)宅内ネットワークの無線LANにWPS機能で容易に接続可能(4)既設ホーム分電盤に簡単にHEMS機能の追加が可能―などの特徴がある。
これらの特徴を生かして、家電ごとの電力見える化、使いすぎアラームや省エネアドバイス、つきっぱなしアラーム、家電故障アラームなどのサービスが提供できるようになる。
ハウスメーカー・ビルダー、マンションデベロッパー、コンビニなどの小型店舗・事業所など向けに、年間1万台の販売を予定。